都会の喧騒を忘れる空間 共創が加速するTieUpsの新オフィス

Vol.22 TieUps株式会社

東京都渋谷区宇田川町2-1 渋谷ホームズ1306号室

https://tieups.com/

プロフィール作成ツール「lit.link」、コミュニティデザインSNS「WeClip」の開発・運営を行うTieUps株式会社。コミュニティテックカンパニーとして、世の中の共創を加速させる同社は、2022年6月にオフィス移転を実施。オフィス選定の基準や新オフィスへのこだわりについて広報・PRをご担当されている宇都様にお話を伺いました。

PR/HR Manager 宇都彩香様

Z世代から圧倒的な支持を集めるlit.link

――1年5ヶ月で登録者100万人を突破されたlit.linkの特徴や強みについて教えてください。

lit.linkは個人が利用している各種SNSをまとめることができる完全無料のプロフィール作成ツールです。専用アプリは不要でLINEアプリ上で作成・編集ができ、Youtube、画像、文章など多彩なリンク方法で、簡単にオリジナルのリンク集を作成することが可能です。プログラミング言語が分からなくても、画面上のアイコンやボタンをクリックして移動したい場所にドラッグすれば簡単にレイアウトを変更できるなど、誰もが分かる操作性と、テンプレートやデザインの豊富さが強みです。

――lit.linkのユーザー層について教えてください。

現在、ユーザーの6割が12〜26歳のZ世代で、男女比でいうと8割が女性です。本プロダクトをリリースした当初は、海外のSNSまとめサービスのように、芸能人や著名人、インフルエンサーの利用が多くなるだろうと考えていましたが、蓋を開けてみるとZ世代のユーザーが急速的に増加していきました。

――Z世代に支持されている理由として、どのようなことが考えられますか?

1つ目の理由はlit.linkが直観的に操作できるからです。初めて手にした携帯がスマートフォンであるデジタルネイティブの彼らは、説明書を読んで操作をするのではなく、見たまま直感で操作することに慣れています。そのため、画面上で動かしたいものを選択してドラッグするだけで位置を変更でき、瞬時にそれが反映されるlit.linkに馴染みやすかったのだと思います。
2つ目の理由は、lit.linkが「推し活」のためのツールとして浸透したことがあげられます。自分が応援する「推し」の公式サイトやYouTubeなどのリンクをまとめるページとして利用が広まったのは予想外でした。オーディション形式でメンバーが決定する企画が増えたことや、女性が同性の女性アイドルを応援するケースが増えてきた背景もあり、「推し」に貢献したいというファンが自ら宣伝ページを作って投票を呼びかけるなど、能動的に広報活動をする時代にlit.linkが浸透したと思います。
このように、lit.linkは「自分のプロフィール」として利用するだけではなく、「推しを応援するためのツール」として利用が拡大してきており、自分の好きな物事を自由に表現できる場として登録者が増えています。

異なる職種のメンバーが一体となって世の中に風をおこす様子を風車で表現したコーポレートロゴ

――lit.linkが今後ますます成長すればどのようなことが可能になりますか?

lit.linkは、個人が自分のブランディングをする時代に、ポートフォリオや名刺代わりに使用されていくのではないかと考えています。自分が好きな事や得意な事、これまでの実績をまとめることで、初めて会った人に自分の人となりを知ってもらうツールとしてさらに利用者が増えていくと思います。やがて就職や転職活動にも利用シーンが拡がるかもしれません。

 

サラリーマン時代に嫌だった働き方を辞める

――現在の貴社での働き方について教えてください。

全体で32名の社員がいますが、職種によって働き方が分かれています。
一番人数の多いエンジニア(現在約10名)はフルリモートで勤務しています。東京のオフィスへの出社を必須にしないことで、地方在住の方や移住をしたい方、ノマド生活をしている方を含め、全国から優秀なエンジニアを採用できるからです。
その他の職種は1人1部署を任されていることが多く、月曜から水曜まではオフィス出社、木曜・金曜をリモートワークにしています。
また、フレックス制をとっており、10時から14時がコアタイムでそれ以外の時間は中抜けすることも可能です。平日に美容院や通院などの用事を済ませるメンバーもいれば、子供のお迎えや育児で中抜けするメンバーもいます。
弊社代表の小原は、起業前のサラリーマン時代が長く、ハードワークで残業も多い会社にいたため、当時嫌だと感じていたことを全てやめるという考え方をベースに現在の働き方や制度を作っています。木曜と金曜をリモートワークにしているのも、週末にかけて家族と過ごす時間を長く確保してもらうためです。

シェアオフィスからの移転

――移転前のオフィス(シェアオフィス)のよかった点や課題について教えてください。

前オフィスは、渋谷区の松濤にある1棟9フロアのシェアオフィスで、利便性のよい立地とデザイン性、屋上プールなどが魅力でした。フロアによってコンセプトやデザインが異なり、気分によって働く場所を変えることができたのもよかったです。
ただ、社員数の増加に伴って、一部のスペースを占拠してしまうことがでてきたり、専用個室がなかったため、オープンスペースでは業務に関する話がしにくいという課題がありました。今後はlit.linkのユーザーを集めたイベントも開催したいと考えていたため、周りを気にせずに社員が同じ空間で気軽にコミュニケーションをとることができ、イベントも開催できる自分たち専用のスペースが必要だと考え、オフィスを移転することになりました。

――移転先の候補物件はどのような条件で選定されましたか?

不動産業界の経験があるメンバーが物件探しに協力してくれました。場所は渋谷限定で、人が集まりやすく、自分たちの専用スペースが確保できることを重視しました。専用個室があるシェアオフィスも内見しましたが、会議室が共用で自由度が少なかったため、見送ることにしました。

――渋谷ホームズの決め手となったポイントは何ですか?

渋谷ホームズは建替予定があるため、2年間という期間限定での募集でした。現時点での出社人数と今後の2年間の人員計画を考慮した際に、このオフィスの面積が適性だと判断しました。建替予定のため賃料がリーズナブルだったことも魅力でした。また、前入居者様が執務スペースとは別に2つの個室を造作されており、会議室と集中ができるサイレントルームのような部屋が欲しいと考えていた私たちにとっては費用をかけずに理想のレイアウトを手に入れられるというメリットがありました。前入居者様もこのオフィスで成長して拡大移転をされたという点でも縁起の良さを感じました。

会議室はチェアを追加して全体会議にも利用

集中業務に適したサイレントルーム

――新オフィスのレイアウトやデザインへのこだわりについて教えてください。

できるだけリラックスしてコミュニケーションがとれる環境を作るために、フリーアドレスで、全てデザインの異なるチェアを選定しました。その日の気分で働く場所を選べる楽しみがあります。

一番カジュアルな座席はバランスボール

くつろぎスペースが欲しいという声からソファ席はラグを敷いて靴を脱げる仕様に

海辺のカフェをイメージしたインテリアコーディネート

――家具はサブスクのサービスを選択されたそうですが、その理由について教えてください。

こちらのオフィスは2年ほどで退去する予定なので、この次に移転したオフィスでは内装をしっかり作りたいと思っています。将来入居するオフィスのデザインや色合いなどのイメージは現段階では決めておらず、家具を購入しても今後の移転先で利用するかどうか分からりませんし、廃棄するには費用もかかり環境にも良くないため、家具のサブスクという方法を選択しました。単に家具をレンタルするだけではなく、弊社がイメージしているコンセプトに合わせて、空間全体のインテリアコーディネートを提案していただけたのでとても助かりました。観葉植のご提案も気に入って、導入を決めました。

カフェテーブルやハイカウンターが程よい距離感で並ぶ

――移転後の変化や社員の皆様の反応について教えてください。

専有オフィスになったことで、社内コミュニケーションが活性化し、プロジェクトが進めやすくなりました。他のメンバーの頑張りや工夫も目に見えて分かるため、刺激を受ける機会が増えたように感じます。

心地よい空間に音楽が彩りを添える

 

共創をつくり加速させ、世の中に風を起こす

――今後の事業の展望やこれから挑戦していきたいことについて教えてください。

lit.linkは年内に150万人の登録者を迎えると予測しています。lit.linkの次に開発したWeClipは、現在β版のリリースですが、年内にアプリをリリースする予定です。WeClipは、多彩なコミュニティの中から自分が気になるコミュニティーをフォローすることができるSNSで、趣味や好きな物事が共通する方と交流することが可能です。マネタイズを行うためにWeClipにゲーミフィケーションの要素を取り入れたビジネス機能をつけることも検討しています。これまでのBtoBのSNSは使いづらかったり、使っているユーザーに楽しさがないものが多いため、ビジネスユーザーが楽しめるSNSを作っていきたいと考えています。
lit.linkは今後もできるだけ無料で多くの方にご利用いただき、WeClip以降これから開発していくサービスは、lit.linkのアカウントをベースに展開していく予定です。

世の中の多くのプロダクトやサービスはコミュニティから始まっています。lit.linkユーザーのインフルエンサーがグッズを作ってD2Cで販売できるサービスを展開したり、WeClipで企業と個人が同じ目線で語り合うことでコミュニティから新しいアイディアが生まれる可能性は大いにあります。人と人が繋がることで新たなサービスを共創していけたらと考えています。

照明をおとすとネオンサインが際立つ

 

編集後記

リラックスできるインテリアに心地よい音楽があいまって、渋谷の喧騒を忘れてしまう空間でした。オフィス出社時にはコミュニケーションをとりながらお互いに刺激を受け、週の後半はリモートワークでぐっと集中する。このような働き方からTieUpsの新たなサービスは生み出されています。

 

インタビュー・編集/服部
撮影/西崎