ソーシャルデータバンク株式会社
東京都港区海岸1-9-1 浜離宮インターシティ 11F
顧客に合わせたLINE公式アカウントでの最適な情報配信・マーケティングを実現するCRMツール「Liny」を提供するソーシャルデータバンク株式会社。コロナ禍でリモートワークの時期もありましたが、2023年10月にオフィス移転を実施し、現在はフル出社の勤務体制に。出社に踏み切った理由や新オフィスへの期待について、代表取締役の伊藤様にお話を伺いました。
デジタルの力で顧客とのコミュニケーションをサポート
――御社の提供されているサービス「Liny」について教えてください。
企業やお店から個人のLINEにメッセージが届くことは今や珍しくありませんが、弊社が提供する「Liny」はLINEで繋がっている顧客の管理や分析をすることができ、企業と顧客のコミュニケーションを支援しています。創業から7年、毎年利用者は増加しており、たくさんのお客様に利用いただいております。これまで対応できなかった1人1人との密なコミュニケーションをデジタルの力で実現できるのではないか、というのが私たちの事業の原点です。一方通行で全員に同じ文章が送られるメルマガとは異なり、「Liny」では双方向のやり取りが可能です。
――具体的にどのようなシーンで利用されていますか?
企業や店舗に新商品のPRや来店予約・商品のオーダーにご利用いただくケースも多いですが、賃貸の不動産業者様やウエディングプランナーさんが電話に代わるコミュニケーション手段としてお客様とのやりとりに利用してくださるケースもあります。また、最近では地方自治体や行政が各種案内や受付、イベント告知をしたり、インフルエンサーがファンとのコミュニケーションに活用するケースも増加しています。
オフィス回帰の決断
――新型コロナウイルスが5類感染症に分類された2023年5月以降、働き方はどのように変化しましたか?
コロナ禍でリモートワークに慣れ、家にいても成果が出せるようになりましたが、自宅で1人で仕事をしていてもつまらないという感情が私の中にありました。お客様の魅力を配信したり顧客とのコミュニケーションを活性化させることを目指しているのに、私たちが自宅にこもっていてそれが実現できるのか、という疑問もありました。そこで再度皆で出社して働こうと決め、勤務体制の変更とオフィス移転を実施する運びとなりました。
仲間との一体感 出社したくなる環境を求めて
――以前のオフィスや感じていた課題について教えてください。
前オフィスは大門で、3階と501号室を借りていました。502号室に空きがでた際にビル内での増床も検討したのですが、今後の働き方やオフィスのあり方について考えた結果、思い切って移転を決意し、2023年1月にはオフィスを探し始めました。皆が出社したいと思っても席が足りないという物理的な課題も抱えていましたし、フロアが分かれることでコミュニケーションが分断されるのはもったいないと感じていたのも移転を決めた背景です。
――オフィスはどのような条件でお探しになりましたか?
浜松町や田町エリアを中心に、オフィスナビの近藤さん・山下さんに物件をご紹介いただきました。内見を重ねる中、新築物件で複数フロアに分かれている物件なども内見しましたが、やはりフロアが分かれず皆がワンフロアにまとまって働けるオフィスがいいなと感じるようになりました。
内見を始めた当初、浜離宮インターシティは希望区画がまだ入居中で、向きが異なる別の区画しか内見できませんでした。しかし、VRや過去撮影写真があったため検討を進めることができ、決断できました。物件としてのスペックは本物件が一番良かったですね。再開発が進んでいるエリアでこの先発展していく期待もありましたし、浜離宮に隣接しているため都心では珍しく窓から緑が見える点も気に入った要素です。
居場所があるから帰属意識が生まれる
――「自宅以上に快適に働くことができる環境」をコンセプトにされたと伺っておりますが、具体的にどのように設計や工夫をされていますか?
私たちはリモートワークでも仕事が成り立つことを経験し、満員電車で通勤しなくてよい、隙間時間に家事ができるといったメリットも享受してきました。しかし、それらのメリットを手放してまで、オフィスに皆で集まって働くことに大きな意味があると信じています。だからこそ、出社したくなるオフィス・コミュニケーションの活性化・互いに高め合える環境を軸に設計やデザインを検討しました。
自宅以上に快適に働くために、まずは座席が足りない、閉塞感がある、会議室が足りない、休憩する場所がないといった前オフィスで感じていた課題は全て改善しようということを基本としました。そのうえでコミュニケーションのとりやすさを考慮した執務エリアを設計しました。世間ではフリーアドレスやABWが主流かもしれませんが、意図的に固定席を採用したことも新オフィスの特徴です。前オフィスはフリーアドレスでしたが、所属している会社なのに出社しても座席が足りないという状況にも陥っており、解決したいと感じていました。会社の一員としてオフィスに居場所があり、事業の一翼を自分が担っていると感じられることが大事だと考えています。
前オフィスには会議室4部屋とセミナールームがありましたが、新オフィスでは会議室が7部屋とオンライン会議に対応したフォンブースを6部屋作りました。
会議室はガラス張りにして、誰がどこで何をしているか、お互いの頑張りがわかりやすいように設計しています。開放感があり、せっかく眺望も良いので、ふと窓の外に目を向けると気分転換できるようレイアウトを考慮しました。
組織拡大フェーズでの変化
――伊藤様にとってオフィスとはどのような場所ですか?オフィスに求めるものは変化しましたか?
創業当初は能力のある専門家の集まり・エリート集団という感覚でしたが、社員が50人を超えてきてから組織やチームへフォーカスするようになってきました。少数精鋭だったときは1人1人が自分の役割を理解しリモートでも主体的に働くことができていましたが、組織を拡大する中で、新人教育や後輩指導はリモートワークでは難しいと感じるようになりました。1人1人の能力を伸ばすためにもメンバー同士のコミュニケーションがとりやすいオフィスを求めるようになり、今回の新オフィスにも反映しています。
――ご移転されてから変化はありましたか?
移転してまだ1ヵ月程度ですが、同じ空間で働くことで近くで悩んでいる人に気づいて声をかけやすかったり、質問や意見交換に対するハードルがリモートワークの時より何倍も下がったと感じています。リモートワーク時は営業担当と開発担当が持っている情報が分断されていることもありましたが、オフィスに出社するようになった現在は気さくに話せる距離にメンバー同士がいますので、お互いが持っている情報が飛び交うようになってきました。今後、さらにチームでのコラボレーションにシフトしていくといいなと考えています。
所属する楽しさとやりがい
――今後の事業の展望やオフィス戦略についてお聞かせください。
ソーシャルデータバンクに所属してオフィスで働くことで、自分の成長ややりがい・楽しさを感じられるようなメンバーを増やし「Liny」の成長にも繋げていきたいと思います。お客様の課題に親身に寄り添い解決していくためには、同じ方向を向いて一緒に考えられる仲間が必要です。社員同士のコミュニケーションから個人と組織の成長が促進され、お客様の成長へと繋がっていく、それが実現できるオフィスを作っていきたいと考えています。
――この度は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。
営業担当 山下・近藤より
今回のご移転もサポートさせていただき誠にありがとうございます。
ご移転プロジェクトが始動した際、伊藤様から「仲間が出社したくなる、自宅以上に快適な空間を作りたい」と社員の皆様のことを第一に考えられた熱い想いをお伺いしたことを今でも思い出します。
新オフィスへお伺いした際、充実した会議室やフォンブース、コミュニケーションが誘発されるような空間づくりを拝見し、細部にまで妥協がなくこだわり尽くしたオフィスに私たちは感銘を受けました。ソーシャルデータバンク様と共に私たちも成長し、少しでも貢献できますよう尽力させてきいただきます。
インタビュー・編集/服部
撮影/平井