フルリモートからのオフィス回帰 #BOKURAの働き方

 

株式会社BOKURA

東京都千代田区麹町6-6-2 番町麹町ビルディング 5F WeWork麹町

https://bokura.biz/

2015年に創業し、クライアントのファンを創り、見つけ、育て、巻き込むファンマーケティング事業を行う株式会社BOKURA。コロナ禍で一旦オフィスをなくす決断をした同社は、8ヵ月間のフルリモート期間を経て2022年5月に新オフィスに回帰。今回のオフィス選定の決め手や将来を見据えた働き方について、代表取締役の宍戸様にお話を伺いました。

代表取締役 宍戸崇裕様

「神対応」でファンを創る

――ファンマーケティングにおいてマーケットや御社のお客様はコロナ禍でどのような変化がありましたか?

ファンマーケティング事業にとってはポジティブな変化がありました。コロナ禍を経て業績が伸びたブランド・店舗もあれば潰れてしまったブランド・店舗もありましたが、その明暗を分けたのはコアなファンや常連客がいたかどうかだと思います。同様のパンデミックがまたきたらどうなるか分からないという危機感から、ファンの獲得に意欲的な企業がますます増えてきています。これまでSNSに注力してフォロワー数を増やしたりインフルエンサーを起用してプロモーションをしてきたが本当にファンは増えているのだろうか、売上に繋がっている実感があまりないのでどうにかしたい、といったお問合せが増えてきています。多くの企業では売上をどれくらい落としてくれているか、今後も売上を落としてくれそうかでファンか否かを判定しがちですが、私たちはブランドや店舗への愛・知識・売上・推奨の4つの観点でクライアントのファンレベルを数値化していきます。私たちは全てのファンに同じ対応をするのではなく、数値化されたファンレベルに合わせた「神対応」をすることで感動していただき、半永久的にファンになってもらうことをクライアント様に代わってもしくはクライアントと共に行っています。

労働集約型からの脱却

――ファンのレベルを数値化するために具体的にどのようなことをするのですか?

アンケートやSNSでのコミュニケーションの代行を通じて数値化します。例えば、SNSでクライアントのブランドについて投稿した方を見つけて、その方の属性や嗜好や過去にブランドについてどのくらい投稿しているかなどを徹底的に調べると、ブランドへの愛や知識レベルが分かってきます。これらの作業を今まではずっと手作業で行ってきましたが、SNS上でファンを探す部分や数値化する部分については今後自動化にシフトしていく予定です。

――業界内での貴社の強みについて教えてください。

ファンマーケティングは全てを自動化するのは難しくとても地道な業務ですが、クライアントの代わりにファンを見つけ出してコミュニケーションをとると、感動して喜んでいただける方が毎日のようにいらっしゃいます。現場でファンの喜びに触れながらノウハウを蓄積してきたことが私たちの強みだと思います。広告宣伝費をほとんどかけず、プッシュ営業もせずに、7年間事業を続けてこられたことも自信に繋がっています。ご契約いただいているクライアントの約7割が人脈やご紹介、年間30~50回登壇するセミナーから直接契約していただいています。

――最近はどのようなご依頼が増えていますか?

セミナーでは「ファンをつくる重要性」を話してほしいというご依頼が多いですね。
最近では店舗のスタッフをスター化させたいというご依頼や、ファンの方々を中心に何かやりたいというご依頼も増えています。ブランドからお願いをしなくてもファン同士が協力して能動的に動いてくれる組織をDAO(自立分散型組織)と呼びます。SNSの普及によって能動的に行動してくれるファンが可視化できるようになったため、私たちはクライアントに代わってファンを見つけだしコミュニケーションをとっているのです。

コロナ禍で一旦オフィスを解約

――コロナ禍での御社のオフィス戦略について教えてください。

創業から5期目までは着実に売上も利益も計画通りに成長してきたのですが、私たちもコロナ禍初期は大きな影響を受けました。当時、4億円の売上の半分はスポーツチーム支援による売上だったのですが、スポーツ業界がコロナで大打撃を受けたため、20チームの支援を2チームまで減らし一般企業支援にシフトしました。シフトした事業を軌道に乗せるまでは人件費が重くのしかかり、5期目と6期目は数千万円の営業赤字を出しました。経費削減をする必要があったため、オフィスを2021年9月に一旦解約し、フルリモートに切り替えたのです。

――8ヵ月間フルリモートをご経験されていかがでしたか?

世間ではリモートワークの方が生産性が上がるという意見も耳にしますが、弊社ではフルリモートだと1人あたりの生産性が下がってしまいました。私たちの仕事は、ファン心理を考えながらこの方にはどのような対応をとるべきかを考えるクリエイティブな業務が多く、これは個人で行うよりも雑談や相談をしながら進める方が生産性が高いのです。リモートワークで地道な作業ばかりに偏ってクリエイティブな要素が欠如した結果、既存クライアントからの解約が相次ぎました。なんとか営業利益も単月で黒字化してきたため、もう一度社内で集まって仕事をする時間を作ろうと2022年4月から検討を始め、5月にはWeWork麹町へ入居しました。

専用オフィスは角部屋で明るく開放感がある

思い思いに仕事にふけるコワーキングスペース

共用スペースはポップでカラフル

――今回のオフィス移転で重視された条件は何ですか?

社員の居住地が様々なので利用可能路線が1本だけではなく複数であること、今後の採用計画に適した広さと予算であることを考慮しました。また、コロナ禍でWeb会議が増えたため会議室は増やしたいと考えていました。

――今回、WeWorkにご入居されましたが、コワーキングオフィスやシェアオフィスといったフレキシブルなオフィスは物件選定時に最初から選択肢としてありましたか?

様々な企業様と同じ空間で働くのは自由度が低いというイメージがあり、最初は全く選択肢にありませんでした。しかし、創業からずっとオフィスや私の自宅を仲介していただいている木浪さんに相談したところ、とても的確なアドバイスをいただきました。彼とは付き合いも長く、私の性格もよく理解してくれており、彼自身が良いと思ったものを勧めてくれるため何かあればいつも相談しますね。

――WeWork麹町へのご入居の決め手は何ですか?

WeWorkは日本国内に約40拠点あり、入居者同士のマッチングもしてもらえる点が魅力でした。月額の賃料が高くてもマッチングという観点を加味すると1~2件成約に結びつけば元がとれてしまうので、全てが賃料というよりは広告宣伝費に近いと考え、当初考えていた予算は超えていましたがWeWorkへの入居を決めました。入居してまだ1ヵ月程度ですが、こちらで働かれているある企業のブランドマネージャーから話を聞きたいとお声がけいただいて商談が進んでおり、早速効果を感じています。

――オフィス移転後の変化について教えてください。

移転後、正社員は週に2日(火曜日と金曜日)は出社してもらうことになりました。その結果、会議の質や業務の生産性が上がったと感じています。新規クライアントへの提案内容を検討する時や、既存クライアントの課題への打開策を考える時などは、Web会議よりも対面で同じ空間で行う方が参加メンバーの感情も分かりやすく発展的な議論ができますね。
また、WeWorkは施設内に様々なテイストのスペースがあるため気分転換にもなり、ずっと自宅でリモートワークをしているよりもオフィスに出社する方が気持ちが切り替わると言っているメンバーもいます。

仕事の合間にちょっと一息つける場所がたくさん

対外的な効果としては、初めて来社される方は必ずといっていいほど驚いてくださるので、良い企業ブランディングになっていると感じます。今回のオフィス移転が今後の採用活動にもメリットとして活きてくるのではないかと思います。入居者同士の交流会も定期的に開催されているようで、社外の方との繋がりが増えていくのが楽しみです。

事業と組織を発展させ上場を目指す

――今後の事業の展望や挑戦していきたいことについて教えてください。

これから会社の成長を加速させていくためには、まず労働集約型から脱却していくことが必要だと判断し、今夏には自動化ツールの製品版をリリースする予定です。7年間に渡って250社ほど支援してきた中で何十万件と溜まったファンとのコミュニケーションのノウハウをAIに学習させ、この人にはこんな言葉をかけたらどうですかと、いくつかのレコメンドを出すところまで自動化しようと考えています。人はその提案を元に判断したり語尾を少し変更するなど、AIを補完すればよくなります。この自動化ツールが完成すればクライアント側でも一定レベルの「神対応」が可能になります。先日5,000万円の資金調達を行いましたが、来年の夏から秋頃に2億円、その1~2年後に4億円の資金調達を行い、2027年に上場を目指しています。これまでは私以外に役員がおらず、私が発信したことを社員の皆が手伝ってくれている状況でしたが、ファンマーケティング事業から派生する異なる新規事業も作っていきたいと考えています。今後は私以外のメンバーが考案した事業を皆で全力で発展させていけるような組織作りや役員候補者の育成をしていきたいと思います。

――この度は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

(撮影:WeWork麹町)

営業担当 木浪より

BOKURA様とは設立当初からお付き合いさせていただき、成長の軌跡を共に歩ませてもらっており、本当に感謝しております。
私は、BOKURA様の『神対応を仕掛けてファンをよりファンにする』というお仕事内容が大好きで、代表の宍戸様を経営者として・人として尊敬しており、大ファンです。
今後もオフィスについて何なりとご相談下さい。そしてまた次のフェーズを一緒に歩ませてもらえると幸いです。

インタビュー・編集/服部
撮影/平井

 

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