Vol.11 Nadia株式会社
東京都港区高輪2-16-4 STOCKビル 2F・3F
2021年3月上旬に港区高輪の新オフィスにご移転されたNadia株式会社。レシピサイトを運営されている同社では、食に関するイベント開催や撮影も多く手掛けているため、オフィス探しは、併設するキッチンスタジオありきだったそう。理想のキッチン付オフィスに出会うまでの経緯や、プロ仕様のキッチンが併設された新オフィスについて広報をご担当されているNadia編集部 八尾萌恵様にお話を伺いました。
Nadia Artistと一緒に作りあげるレシピサイト
――貴社が運営されているレシピサイトにおいて、コロナ禍による変化はありましたか?
コロナ禍で、自宅で過ごす時間が増えたこともあいまって、弊社が運営するレシピサイトNadiaのユーザー数は月間2,000万UU(ユニークユーザー)へと伸びており、レシピサイトとして皆様の生活のお役に立てている、お手伝いができていると感じています。手軽なレシピから本格派レシピまで幅広いニーズがあり、主に20~40代の女性を中心にご活用いただいています。
――多くのレシピサイトの中で御社ならではの強みやユーザーから支持されているポイントについて教えてください。
数あるレシピサイトの中でも弊社は、写真の美しさ、作りやすさ、おいしさ等の独自の基準をクリアしたNadia Artistと呼んでいる方々にレシピを投稿していただいていることが特徴です。Nadia Artistは、ご応募いただいて審査させていただくこともあれば、料理家やフードコーディネーターの方々に弊社レシピサイトへ投稿してみませんかとお声がけすることもあります。Nadia Artistそれぞれの個性によって、投稿されるレシピも様々なので、そこもユーザーの皆様に楽しんでいただいています。料理家や料理研究家、フードコーディネーターはもちろん、料理好きが高じてSNSでたくさんのフォロワーをお持ちの主婦の方もいらっしゃいますし、ファンが多く弊社でレシピ本の出版をお手伝いさせていただいている方もいます。
――Nadia Artistの方は何名いらっしゃるのですか?
現在、Nadia Artistとして登録していただいている方は約600名にのぼります。期間や投稿頻度を契約で定めているわけではないため、一度Nadia Artistとして認定されればご自身のお好きな頻度でレシピを投稿していただけます。コンスタントにレシピを投稿していただいている方もいますし、ご自身のライフスタイルやライフステージに合わせて投稿いただいております。
――他にはどのようなサービスを展開されていますか?
企業とのタイアップにより、食品・食材・調味料などを用いた新たなレシピをNadia Artistに考案していただき、市場に広めるお手伝いもしています。弊社媒体への掲載だけではなく、イベント開催やコンテンツ制作なども手掛けておりますので、Nadiaにご依頼いただくことで企業の課題をどのように解決するかという視点で様々なプロジェクトに関与させていただいています。
出社とリモートワークを柔軟に選択
――コロナ禍での社員の皆様の出社率はいかがですか?部門によって偏りはありますか?
弊社では、記事やコラムの作成をメインとするNadia編集部、お客様の課題に対してご提案する営業部、アプリ開発やレシピサイト自体の運営をしているプロダクト部、そして管理部と大きくわかれており、フルフレックス制を導入しています。部門による出社率の偏りはあまりなく、個人の居住環境やライフスタイル、業務内容にあわせて臨機応変に対応しています。制作物が多い日は自宅の方が集中できるため、私は週1日程度は在宅で仕事をしています。社内では共有サーバーでファイルをやりとりしながらGoogle Chatでこまめに連絡をとりあうことが多いですね。Nadia編集部や営業部では、クライアントや料理家さんたちとの打ち合わせをオンライン会議にて行うことが増えました。
キッチン重視のオフィス探し
――2021年3月にオフィスをご移転されましたが、今回のご移転の理由やオフィスに求めた条件について教えてください。
弊社は、レシピサイト運営以外に、イベント開催や料理関連の撮影も多数ありますので、そのような業務に対応し得るキッチンスタジオをオフィスに併設したいというのが移転の主な理由でした。日本橋の前オフィスのキッチンも素晴らしかったのですが、今回のオフィス移転では、①業務用の対応ができるキッチン、②自然光が入る、③おしゃれな空間で社員や来る人のモチベーションがあがる、という条件で検討をしていました。
物件自体は資料では200件以上、内見も10件ほど行っていましたが、弊社側の難しい条件に合致する物件になかなか出会えずにいたところ、新しく打ち合わせしたパートナー会社さんが「オフィスありきではなく、キッチンありきで探します」と、弊社の意図をすぐにくみ取ってくださり、こちらの物件をご紹介いただきました。
移転先は元・シェアオフィス
――新オフィスに併設されているキッチンスタジオは、本格的な調理に対応できそうな広いスペースですね。
私たちが入居したSTOCKビルの2・3Fは、もともとビル所有者様が倉庫をリノベーションし、シェアオフィスを運営されていました。プロ仕様のキッチンが併設されており、食を通じて人が集い、コミュニケーションがとれることをコンセプトに作られた空間が残されていたため、この物件を内見した際、私たちが希望する使い方ができそうだとイメージがわきました。
――新オフィスは2フロアに分かれていますが、どのような使い方をされていますか?
2Fは受付、キッチンスタジオ、商談スペース、会議室があります。以前のキッチンスタジオ部分をそのまま活かしながら、会議室を3カ所に増設しました。3Fはもともとシェアオフィス仕様で細かく区切られていたため、壁を撤去し執務スペースとして使いやすいようにレイアウトを変更しました。基本的には固定席ですが、窓際のスペースには別途デスクを配置し、移動して作業することもできるようにしています。窓面が大きく開放感があり、内装のデザインにもかわいらしさがありとても気に入っています。弊社は女性の比率が高く、特にNadia編集部は全員女性なのですが、新オフィスのデザインは皆にとても好評です。
「食で誰かのために」
――社員の皆様もレシピサイトを活用してお料理されていますか?
そうですね、Nadia Artistの皆様の活動状況やコンテンツのクオリティチェックの意味も兼ねて、普段からよく活用しています。私たちはNadia Artistの皆様とのコミュニケーションを大事にしているため、実際にレシピを見ながら作ってみて、おいしかったという声は直接投稿していただいた方に届けるようにしています。
――最後に、今後の事業やオフィスの在り方についての展望をお聞かせください。
「食で誰かのために」という会社のミッションのとおり、新しくパワーアップしたオフィスから日本全国や世界の皆様に、食で喜びを届けられたらいいなと思っています。今後も時代の流れやライフスタイルによって働き方やオフィスの使い方は変わっていくと思いますが、柔軟に対応していける会社だと思っています。
――この度は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。
編集後記
Nadia Artistやユーザーを巻き込みながら急成長を続けるレシピサイト「Nadia」。サイト運営側とレシピ投稿者、そしてそれを閲覧するユーザーそれぞれの距離が近いからこそ、親しみや共に創り上げている一体感が生まれ、支持されているのだと感じました。
飲食店の居抜きではなくオフィスの居抜きでプロ仕様のキッチンが併設されている物件は希少です。また、室内にガスや給排水を引き込めるかどうかや、所有者様が許可していただけるかは物件によって異なるため、通常のオフィスよりも物件探しや所有者様との調整が大変です。商品開発のためにテストキッチンの用途で使える物件をお探しの企業様や、社内コミュニケーションや福利厚生のためにオフィスにキッチンを併設したいとお考えの企業様は、様々な契約実績のあるオフィス仲介のプロにご相談されることをお勧めします。