家族と共に働ける空間へ バイオフィリアのペットフレンドリーオフィス

Vol.31 株式会社バイオフィリア

東京都目黒区中目黒3-5-5 NFビル 6F

https://biophilia.co.jp/

「動物の幸せから人の幸せを。」を企業理念として掲げる株式会社バイオフィリア。事業拡大やメンバーの増加により本社移転を実施されました。家族の一員であるペットと一緒に出社が可能なペットフレンドリーオフィスについて、広報担当の松村様にお話を伺いました。可愛い社員犬の皆さんの様子とともにお届けします。

広報担当 松村すばる様

“社員犬”とともに働く

――御社はどのような事業を展開されていますか?

バイオフィリアは2017年に創業した、ペット関連事業を展開しているスタートアップ企業です。主な事業としては、わんちゃんの手作りごはん「ココグルメ」、ねこちゃんの手作りごはん「ミャオグルメ」を開発、サブスクリプションで販売しています。これらは新鮮な食材を低温調理・急速冷凍することで食材の美味しさ・栄養を余すことなく詰め込んだ、従来のレトルトタイプのウェットフードとは違う、冷凍タイプの新しい「フレッシュフード」というジャンルになります。

――現在御社ではどのような働き方をされていますか?

週3日出社、残り2日はリモートといった働き方をしています。出社時は愛犬と一緒に出勤しているメンバーが多いですね。オフィスに出社するわんちゃんたちも社員犬として働いています。「ココグルメ」の試作品を作った際は実際に社員犬に試食をしてもらい、食材の配合や素材の大きさなどを検証しています。わんちゃんたちはそれが仕事ですね(笑)

会議にも積極的に参加する社員犬の皆さん

理想的なペットフレンドリーオフィス探し

――移転前のオフィスについて教えてください。

現在のオフィスに移転する前も動物が入居可能な建物にオフィスを構えていました。オフィスビルというよりマンションの一室のような場所でしたね。しかし会社が大きくなり人数が毎月のように増え、室内の酸素が薄くなるくらい手狭になってしまい移転を決意しました。

――オフィス探しで大変だったことは何でしたか?

オフィスビルにおいて、動物が入居可能な物件が極端に少ないことが大変なポイントでした。また、ビルには様々なテナント様が入居されているので全ての方に受け入れてもらえるような体制を築くことも難しかったです。

――現在の物件に決めたのはなぜですか?

第一に動物の入居が可能だったからですね。エリアとしては中目黒という街がわんちゃんと一緒に入れる飲食店が多かったりととてもペットフレンドリーな街であることが大きかったです。わんちゃんを連れている人にとってはとても快適な場所でした。

かわいいカメラ目線

――理想のペットフレンドリーなオフィスはどのような環境でしょうか?

理想を語るとどんどん出てきてしまいますが(笑)一番はアレルギー対策ですね。現在、オフィスにたくさんのわんちゃんが出社しているため、どうしても動物アレルギーの方が出社できないような環境にあります。働く人のことを考え、部屋を分けるなどしっかりと環境を整えたいと思っています。

デスクワークもばっちり

また、人がすごく増えてきていることもあり広い環境が欲しいですね。特にわんちゃんたちは集まるとほぼ運動会状態になるので(笑)ドッグランなど、わんちゃんが思いっきり走り回れる場所があればいいなというのが理想ですね。他にもわんちゃんとねこちゃんの部屋を分けるなど理想は尽きません。

社員・社員犬皆が過ごしやすい空間作り

――現オフィスにはどのような工夫が施されていますか?

基本的に、わんちゃんが過ごしやすいような工夫が施されています。床はわんちゃんの足に負担がかかりにくいようにクッションフロアを採用しています。配線を床にはわせないようにしたり、デスクやソファも下が抜けているものにするなど、わんちゃんが通りやすかったり隠れることができるような工夫もしています。

ソファの下でくつろぐ社員犬のえだまめさん

デザイン面だと、弊社のコーポレートカラーがグリーンなので、オフィスにも緑を取り入れています。ただ、わんちゃんねこちゃんのことを考えると本物の植物を置くことができないので全てフェイクグリーンにしています。

会議室には緑が こちらもフェイクグリーンとのこと

わんちゃんがいることによって多少不便に感じることもあるとは思いますが、何よりわんちゃんの安全や過ごしやすさが大事だと考えていますね。

――愛犬を連れてくるにあたって、決められたルールはありますか?

はい。社員皆でルールを作りました。わんちゃん自身に関するものは、必ずワクチン接種をすることや一定以上のしつけを行う、といったルールがありますね。また、社員犬にご飯やおやつをあげるときはむやみにあげるのではなく、飼い主に断りを入れてからあげる、といったルールもあります。それぞれお家によってわんちゃんの食事管理をしていると思うので、可愛いからといってあげすぎには注意しています。

可愛すぎる社員犬さんたち

家族第一の働き方

――御社ならではの働き方の取り組みがあれば教えてください。

やはり愛犬愛猫と一緒に出勤できるのが弊社ならではの取り組みですね。さらに動物と一緒に暮らしている社員には毎月手当がつく「うちの子手当」という制度があります。保護団体から引き取った場合はプラスで手当がつきます。他にも、業務中にボランティア活動ができる「動物ボランティア休暇」というものがあります。

デスクのすぐ近くでおやすみ中

愛犬たちも家族なので、忌引きがあります。一般的に忌引きは亡くなってからの休暇となりますが、弊社の場合は代表の岩橋の過去の経験から、看病の時間や看取る時間を十分に取れるよう、亡くなる前からの休暇の取得が可能です。

ペットフレンドリーオフィスだからできること

――わんちゃん、ねこちゃんと働く良さを教えてください。

一緒に働く良さは本当にたくさんありますね。飼い主目線での良さとしては、一緒に出勤できることで愛犬を留守番させなくても良いことが大きいですね。

通路を自由にトコトコ

わんちゃんの目線としては、オフィスに来ることで他のわんちゃんと触れ合うことができ、めいっぱい遊べたり社交性を育てることができます。普段お散歩やドッグランなどでしか他のわんちゃんと会うことがないので良い環境なのではないかなと思っています。

また、動物と一緒に暮らしていない社員の目線だと、普段からわんちゃんと接することで新しい気づきがあったりアイデアが生まれたりする点ですね。弊社は動物が大好きなメンバーが集まっているので、会社に来ればたくさんの動物と触れ合えるのも心のリフレッシュに繋がっていると思います。

会社全体では、わんちゃんがいることで社員間のコミュニケーションが増えていることも良い点だと思います。新しく入ったメンバーともお互いの愛犬愛猫について会話ができるので良い雰囲気作りのきっかけになっています。

“犬吸い”が注目され働き方に共感が

――ペットフレンドリーオフィスは採用にも効果はありましたか?

はい。ちょうど先日Twitterに代表の岩橋が犬吸い(※写真参照)をしている様子をアップしたところ予想以上の反響をいただき、弊社のペットフレンドリーな働き方について知っていただくきっかけとなりました。わんちゃんと一緒に働く環境に魅力を感じていただけたようで、通常の10倍程の求人応募がありましたね。

ちなみに「犬吸い」は社内ではいつもの光景なので、こんなにも反応をいただけるとは思っていませんでした(笑)

バイオフィリアが目指す先

――今後の展望についてお聞かせください。

社会全体のペットフードの常識を変え、私たちが作っている「フレッシュペットフード」というジャンルのごはんが選択肢として当たり前になっていけばいいなと思っています。いわゆる「ペットフード」は法律上は雑貨の扱いなんです。雑貨であることによって、法律的には食品ほどの厳しい条件を守らなくても良いのが現状です。それに対し「ココグルメ」「ミャオグルメ」は私たち人間が食べる食材を使い、食品工場で、食品衛生法のもとで作っています。

わんちゃん、ねこちゃんはただのペットではなく人間同様の「家族」だと考えています。近年、健康志向化や「家族の一員」という価値観から、雑貨に当たるペットフードをあげることに対して違和感を覚える飼い主さんも増えています。「ココグルメ」「ミャオグルメ」を通して、わんちゃんやねこちゃんにも食べる楽しさを感じてもらえるよう「エサ」ではなく「食事」をお届けしていきたいと思っています。

――この度は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

編集後記

愛犬愛猫と共に出社することができるペットフレンドリーオフィス。その取り組みに惹かれ取材を依頼させていただきました。オフィスに伺うと、社員の皆様・元気いっぱいの社員犬のわんちゃんたちが笑顔で迎えてくださり、バイオフィリア様が作り出すあたたかな空気を肌で感じることができました。働く環境は想像以上に日々の仕事へ大きな影響を与えます。「ココグルメ」「ミャオグルメ」が家族を想う気持ちで溢れたオフィスから生み出されているということをよりたくさんの方に知っていただきたいと強く感じました。

 

インタビュー・編集/木村
撮影/平井