オープンスペースの有効活用 社内外の交流を育むハイタレントの新オフィス

Vol.30 ハイタレント株式会社

東京都港区六本木6-2-5 Bizflex六本木 2F

https://hitalent.co.jp/

フリーランスの優秀な人材(ハイタレント)と企業をつなぐ案件マッチングプラットフォームを提供しているハイタレント株式会社。2023年4月に、事業拡大による採用加速やコミュニケーションの推進を目的として増床移転をされました。物件選定のポイントや新オフィスの使い方について、代表取締役の有吉様にお話を伺いました。

代表取締役 有吉洋平様

審査制により優秀人材のみを紹介

――御社の事業の特徴を教えてください。

優秀なフリーランスハイタレントと企業をつなぐ案件マッチングプラットフォーム『HiTalent』の運営を行っています。マッキンゼーやBCGのような有名コンサルティングファームで勤務されていた超優秀人材だけを審査制で集めてご紹介できる点が弊社の特徴で、2023年6月現在、ハイタレント会員は約2,000人になりました。私がドイツの戦略コンサルティングファーム出身者ということもあり、戦略コンサル領域のマッチングをメインに事業をスタートしましたが、それ以外の職種においても超優秀層を集め、ご紹介していきたいと考えています。

窓際のカウンターで仕事も可能

優秀な個の選択肢と可能性を広げるコミュニティ

――人材紹介サービスがたくさんある中で御社ならではの強みはなんですか?

弊社ではタレントさん同士をつなげるコミュニティを提供しており、Slackでのオンラインコミュニティや、交流会・勉強会といったオフラインイベントによって交流を促進し、タレント個人のさらなるスキルアップを目指しています。フリーランスの方々はあまりコミュニティに属しておらず、自ら主体的に足を運ばないと勉強をする場がないのが現状です。タレントさんからもコミュニティがあることがありがたいというお声をいただいています。

また、フリーランスを紹介するエージェントやサービスは日本にもたくさんありますが、誰でも登録できるプラットフォームが多く、理想の人材に出会えれば良いのですが、マッチしない人材を紹介されることも少なくありません。弊社のサービスはスクリーニングをしっかりしているため、超優秀人材を求める企業にとってはミスマッチが少ない点を評価していただいています。

――優秀人材の審査基準というのはどのようなものですか?

コンサル領域だと、どのファームでどのポジションまで在籍していたかが一番大きな基準になります。フリーランスのコンサルタントとして活躍するためには1人でクライアントとのやりとりを完結することが求められるため、実際に面談も行い、お客様ときちんとコミュニケーションがとれるかという観点でも判断しています。

リモートワークから出社への切り替え

――現在どのような働き方を推奨されていますか?

2020年の創業した瞬間にコロナ禍に突入したため、創業から約2年間はほとんどリモートワークでした。人数が増えてきたタイミングでチームアップするにあたって、リモートだとカルチャーの醸成が難しいということもあり、2022年の途中から全出社に切り替えました。家庭の事情で時短をされているメンバーや遠方でパートナーとして勤務してくれている一部の方のみがリモートワークを継続しています。

成長フェーズにあわせたオフィス探し

――ご移転をされることになった経緯について教えてください。

前のオフィスは六本木のシェアオフィスで、10人ほどが利用可能な個室とコワーキングスペースを活用して働いていました。機密情報も多く、お客様とのコミュニケーションをオープンスペースでとるわけにはいかないため、もっと専有スペースを拡大したいという理由から移転をすることになりました。シェアオフィスやコワーキングスペースはコストパフォーマンスがよくメリットもたくさんありますが、アイデンティティとして自社のオフィスがあると帰属意識が高まると考えています。そういった観点から自社の空間が欲しいという声が多かったですね。

移転して広くなった執務スペース

――どのような条件で物件を探されましたか?

現在社員が約20名で、今年中に30名程度まで人員を増やそうと考えているため、専有スペースとして30〜40名が勤務できるサイズ感で、なおかつ今後の成長を見据えてフレキシブルに移転することができるオフィスを探しました。私たちが集めているフリーランスの方々の出身コンサルティングファームが六本木に多く集積しているため、前オフィス同様、六本木周辺を中心にオフィスを探しました。出社するからには綺麗なオフィスで働きたいという声も多かったです。

セットアップオフィス+オープンスペースの魅力

――本物件を選ばれた決め手は何ですか?

本物件は会議室や家具が付いているセットアップオフィスで、入居時の内装工事が不要だったことや、解約予告期間が短めで成長フェーズに合わせて身動きがとりやすい点が魅力でした。

会議室2室付のセットアップオフィス

専用フロアにも2ヵ所のフォンブース

また1Fのオープンスペースが使えることも大きな決め手となりました。弊社ではタレントさん同士をつなげるコミュニティを提供しており、月に1〜2回、勉強会や交流会を開催しています。開催頻度やコストパフォーマンスを考慮すると、現段階では専有部に交流会や勉強会が開催可能なスペースを設けるよりも共用のオープンスペースが利用できる方がメリットが大きいと判断しました。

1Fのオープンスペースは視覚的にも楽しいデザイン

立食での交流会にも適したハイカウンター

入居テナントは1Fのフォンブースも利用可能

ハイタレント同士のコミュニティ活性化

――オープンスペースは具体的にどのように活用されていますか?

他の入居者様と共用のため、普段はランチや休憩時にオープンスペースを活用しているメンバーが多いですね。夜の時間帯は貸し切ることもできるので、交流会・勉強会・講演会といったイベントを開催する際に予約しています。フードやドリンクを準備してタレントさん同士が名刺交換をしたり情報交換できる場にしています。タレントさんからはビジネス的な話ができる場所が欲しいというご意見や、よりカジュアルに交流できる場所が欲しい、など様々なご意見をいただいており、それぞれの要望に沿った交流会を開催していければと思っています。

ケータリングやドリンクを準備してコミュニティの交流会を開催することも

多様なワークスペースが広がる

――今後の事業の展望やオフィス戦略についてお聞かせください。

現在は国内のみで事業を展開していますが、来期移行は海外にも事業を拡大し、まずはシンガポールや香港などのクライアントにも優秀人材を紹介していきたいと考えています。コンサルはもともとグローバルファームが多いので、すでに会員であるタレントさんから海外の優秀人材をご紹介いただけることも増えてくると想定しています。また、クライアントからの依頼は3ヶ月のプロジェクトで即戦力を採用したいというようなニーズが多いため、マッチングのスピードが非常に重要になってきます。蓄積してきたデータを活用して、クライアントが求める要件に合致する人材を瞬時に抽出しおすすめ順に提示できるようなシステムの研究を進めていますが、完全に自動化するのは難しいため、弊社営業マンのノウハウとかけあわせながら人間とAIの両軸で最適なご提案をしていきます。

最短で2025年の上場を目指しており、あと数年で社員数が70〜100名規模になると予想されます。タレントさんは六本木周辺に多く集まっていますが、クライアントは東京駅周辺が圧倒的に多いため、今後はオフィスを探す際にはエリアも含めて再考しないといけないと考えています。できる限りはワンフロアで全員が働ける物件に入居したいですね。

――この度は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

代表取締役 有吉様(左)と広報 細川様(右)

 

編集後記

最近では、Bizflexシリーズのように専有部以外にも入居者が利用可能な共有スペースやサービスが充実しているセットアップオフィスが増えてきています。自社の働き方やオフィスに求めるものを整理し、利用頻度によっては共有スペースやサービスを上手に活用することで、成長フェーズに合ったオフィス戦略をとることが可能です。大人数でのセミナーやイベントを定期的に開催されている企業様は選択肢の1つとして参考にしていただけると幸いです。

 

インタビュー/木村
編集/服部
撮影/平井