毎日の仕事が楽しみに 働くインフラをつくるタイミーのオフィス

Vol.27 株式会社タイミー

東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター 35F

https://corp.timee.co.jp/

「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービス「タイミー」を運営する株式会社タイミー。会社規模を拡大していくなかで生まれたオフィスへの希望とともに、汐留に新オフィスを構えられました。約890坪のオフィスにどのようなコンセプトや想いが詰まっているのか。オフィス移転について、東郷様、布田様、坂梨様にお話を伺いました。

写真奥からBX部PRチーム 東郷 章人様、HR本部 布田 章乃様、HR本部 坂梨 佑太様。

 

「スキマ」時間にアルバイトという選択

――御社の事業の特徴と近年のマーケットやユーザーの変化について教えてください。

東郷:弊社のサービスは「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービスです、働き手は、働きたい案件を選ぶだけで応募・面接なしですぐに働くことができ、勤務終了後すぐにお金を受け取ることができます。事業者は、来てほしい時間や求めるスキルを設定するだけで条件にあった働き手を自動的にマッチングしてもらえます。

広々としたオープンスペース ミーティングの延長やインフォーマルなコミュニケーションに最適

サービスの登録者はコロナ禍以降急激に増え、サービス拡大のペースも上がってきています。コロナで残業ができず収入が減った方や副業解禁の社会背景、また物価高騰による生活費の補填のためにスキマバイトサービスを利用される方が増えたと感じています。また、働く側だけでなく事業者側の需要が高まっている背景もあり、サービスが拡大しています。サービス開始時には飲食店の募集が多く出ていましたが、コロナ禍を経て物流やEC業界の求人の需要が上回るようになりました。

ゆったりとくつろげるソファスペース デスクの上にはスナックが入った小瓶が

――御社ではどんな職種の方がどのような働き方をされていますか?

東郷:職種は大まかに分けるとエンジニア、マーケティング、セールス、カスタマーサポート、事業戦略、コーポレート部門などに分かれています。主流な働き方としてはリモートワークと出社のハイブリッドです。執務スペースの総座席数は475席で、社員1名に対し1席用意しています。1人1席あるという安心感から社員の帰属意識を高めています。

基本的には部署ごとのフリーアドレス制 部署によっては固定席のパターンも

前オフィスの課題を解決する移転を

――移転前のオフィス環境に関するアンケート結果では5点中3点の評価が一番多かったとのことですが、どういった課題がありましたか?

東郷:もともと、移転前の池袋オフィスにもフリースペースが多くあったんです。しかし弊社が成長フェーズで急激に人が増えていることでスペースが減り、オンラインコミュニケーションが多い仕事においてブースの予約が取れない、会議室が自由に使えない、さらに音声環境が整わない、などの課題感が浮き彫りになっていました。

布田:また、リラックスできるスペースも少なく、ランチを自席で食べることもありました。そのため新オフィスでは気分転換ができる空間が欲しいという希望が多くあがりました。

――物件探しのポイントを教えてください。

東郷:我々はスタートアップ企業で堅実な経営が必要なため、一番はコストパフォーマンスを重視していました。場所の候補地は何ヵ所かありましたが、総合的な条件から現オフィスに決定しました。

――移転プロジェクトはどのように進められましたか?

東郷:現在、弊社では体制強化の計画が進められており、2023年の期末(10月)には1,000人規模の体制になる予定で拡大しています。そういった背景もあり、広く働きやすいオフィスにという想いから移転プロジェクトを遂行しました。

布田:プロジェクト自体は約4名が中心となって進めました。半年で様々なことを決めなければならず、かなり納期に追われてのスケジュールでしたね(笑)コンセプトを内装業者の方にお伝えし、それをうまく形にしていただくことができました。

――移転をするにあたって社内から要望はありましたか?

東郷:池袋オフィスの課題点にもあがった会議室の数、仕事のメリハリをつけるためのリフレッシュスペースが欲しいという要望が多くあがりました。他にもテレブースにモニターを置いてほしいという設備面に対する声もありましたね。

――オフィスのコンセプトについて詳しくお聞かせください。

東郷:オフィスのコンセプトは「一人ひとりが活き活きと働き毎日の仕事が楽しみになるオフィス」と定めました。弊社は「一人ひとりの時間を豊かに」というビジョンと「『働く』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」というミッションを掲げており、従来の仕組みにとらわれない新しい働き方を日本中にインストールし「働く」のインフラを目指す企業として、タイミー自身の働き方自体も重要だと考えました。

オフィスの3つの機能

――オフィス内の機能について詳しくお聞かせください。

東郷:オフィスには3つの機能を設けています。

1つ目は「コミュニケーションの円滑化」です。
「タイミー広場」という場所をつくり、イベントやセミナーを開催できるような場所かつ、社員がコミュニケーションをとれる空間として使用しています。イベントがない日はABWスペースとしてフレキシブルに活用できるスペースとなっています。また、このオフィスは楕円形になっており、使い方によってはデッドスペースとなってしまうところがあるのですが「縁側スペース」として執務エリアと少し区切ることで、コミュニケーションをとりながら仕事ができる空間にしています。

「タイミー広場」はイベントやセミナー時に活用 平常時は可動式の什器を組み合わせてABWスペースとしても利用

縁側スペース 壁はホワイトボードになっておりカジュアルなミーティングも可能

2つ目は「個人集中・生産性の向上」です。
このエリアには完全予約制の個室の「HIGH FOCUS BOOTH」があります。また、執務エリアにはほぼ全ての席にモニターが付いており、生産性が上がる工夫がなされています。座席は部署ごとにフリーアドレス制を設けています。

ブース全てにモニターを完備したことで生産性が圧倒的に向上した”超”集中ブース

3つ目は「オフタイム・リラックス」です。
人気のスペースは「タイミーカフェ」という給排水を完備したキッチンスペースです。
コーヒーマシンは大人気で争奪戦になるほどですね(笑)そこでコミュニケーションが生まれている様子をよく目にします。また、特徴的なエリアとしては「シアターライブラリー」があります。98インチの大型モニターがあり、チームの発表会や社内イベントでも使えるスペースです。

タイミーカフェ 他部署のメンバーとのコミュニケーションもここで活発に 取材当日も賑わっていた

くつろぎ、イベント、あらゆる場面で活躍するシアターライブラリー リフレッシュに最適の空間

密なコミュニケーションの理由

――「トランザクティブメモリー」(※同一の知識を組織の全員が記憶するのではなく「組織内の誰が何を知っているのか」を共有することを重視する考え方)を高める工夫や施策について教えてください。

東郷:福利厚生の1つとして、業務終了後に2名以上で利用できるフリードリンク制度をタイミーカフェ内に取り入れています。また、週2回はアイス無料デーを設定して、リフレッシュやコミュニケーション促進をはかっています。他にも、毎週水曜日には「タイミーランチ」という、希望者を総務がシャッフルし、普段話す機会がないようなメンバーでランチに行くことで1人あたり1,650円を補助する制度や、「チームビルディング」サポートとして、チームメンバーのコミュニケーションの場として月に1回開催する「チービル」に参加する場合、1人あたり5,500円を補助する制度など、コミュニケーションを生み出せるような制度が多く存在します。かなりのスピードで人数が増えていますが、リフレッシュやコミュニケーションの問題を解消できる仕組みが整っています。

火・木の週2回はアイス無料デー

――御社のメンバーで実際にタイミーを利用している方はいらっしゃいますか?

東郷:はい。弊社には福利厚生制度の1つとして、タイミー従業員が「タイミー」を利用してスキマバイトすると、3ヶ月に1回報酬が2倍もらえる制度「ダブルタイミーデイ(通称:ダブミー)」を導入しています。中にはすでに通算100回以上タイミーを使って働いているメンバーもいますね。もともとタイミーで働いていて現在正社員として活躍しているメンバーもいます。

広々とした会議室も完備

各会議室にはミッションにちなんだインフラの名前が付けられている

希望が叶ったオフィスへ

――移転後の社内の変化や声はどうでしたか?

布田:前オフィスの時は内装に特にこだわりがなかったため、新オフィスを見た時は皆かなり喜んでくれました。また、コミュニケーションをとりやすいスペースが増えたため、今まで話したことがなかったメンバーと話ができて良かった、といった反応も多く、移転して良かったなと感じました。

坂梨:モニターを増やしたことで業務効率が上がったという声も多く、設備の面でも前オフィスの課題を解決できましたね。

新オフィスは35階 眺望は抜群

「タイミー」のこれから

――「タイミー」の今後の展望について教えてください。

東郷:1,000人規模の組織としてさらなる成長を遂げ、スキマバイトサービスをより広めていけたらと思っています。今後人手不足は日本でより大きな社会課題になってくると思いますが、働き方を時代に合わせてアップデートしながら潜在労働力を喚起し、社会課題を解決していけたらと考えています。

――この度は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

編集後記

スキマの時間に「働く」という選択肢を生み出したタイミー様。様々な役割を持つ約890坪という広々としたオフィスは「タイミー」の世界観が体現されていました。広いオフィスでも他部署のメンバーとコミュニケーションをとることができる工夫は画期的なものでした。今後1,000人規模の組織となり、より活発なオフィス空間へと進化し続けていくのだろうと感じました。

インタビュー・編集/木村
撮影/平井