Vol.25 株式会社hacomono
東京都渋谷区神宮前2-34-17 住友不動産原宿ビル 5F
「ウェルネス産業を新次元へ」をミッションとして掲げ、フィットネスクラブなど施設や店舗向けの会員管理・予約・キャッシュレス決済システム「hacomono」の開発と販売を行っている株式会社hacomono。2022年8月には従業員増加への対応とより良い職場環境構築のためにオフィス移転を実施。広々としたオフィスへのこだわりや「hacomonoらしさ」について、取締役CFOの才馬様にお話を伺いました。
高まる健康への関心
――コロナ禍でリモートワークが一般化しましたが、世間の健康や運動への意識の変化について教えてください。
各種統計データから、コロナ前から運動不足だと感じている方が一定程度おります。また、リモートワークの普及によって運動不足だと感じている方が増えたという統計があります。弊社の場合もリモートワークがメインなので、通勤時間の代わりにランニングやジョギングに時間を使う従業員も多いことから、健康や運動への意識は高くなっていると感じています。
月額型店舗向けの会員管理・予約・キャッシュレス決済システム「hacomono」
――「hacomono」の特徴と強みは何ですか?
「hacomono」は、リアル店舗における予約・決済や入会手続きをお客様自身のPCやスマホ端末からオンラインで完結し、店舗での事務手続きや支払い手続きが大きく削減できるクラウドサービスです。店舗側では、月謝の引き落としや未払い徴収に関するオペレーションも自動化され、スタッフ業務の大幅省力化を図ることができます。
――「hacomono」を導入することによって得られる店舗へのメリットは何ですか?
日本におけるスポーツクラブ、スイミングスクール、ゴルフスクール、体操スクール、公共運動施設などのウェルネス店舗・施設は、デジタル化・オンライン化に後れを取っております。例えば、入会時の書類作成、会員証発行、スクールレッスンの出欠管理、台帳でのパーソナルトレーニング管理などアナログ的手続きが多く、まだ多くの店舗において非対面型店舗運営に課題があります。「hacomono」は来店前に予約から決済までお客様側端末で完結し、店舗運営におけるオンライン化・事務作業レス・キャッシュレスを実現します。加えて、オンラインレッスンの実施やIoTハードウェアによる店舗運営の省人化、データドリブン型の経営が可能になることがメリットです。
――導入店舗のユーザーはどのような体験が可能ですか?
お客様自身のPCやスマホ端末から入会、入会後のレッスン予約、決済まで全てオンラインで完結するため、体験価値が向上します。
フルリモートで働く工夫
――御社では全職種原則フルリモートで勤務されていますが、フルリモートのメリットとデメリットがあればそれぞれ教えてください。
メリットは、居住地に左右されず全国の方を採用できる点です。また、フルリモートで働けることは採用の候補者からのアドバンテージにもなります。通勤時間がないため、その時間を趣味に充てることが出来る点もメリットだと考えています。
デメリットは、コミュニケーションの図り方が難しい点です。これに対しては、チームごとに「朝会」を行いチームとしてのリズムや意識の統一をはかったり、オンラインランチ会などを実施したりと様々な工夫をしています。また、会議の議事録は全てNotionに残して社内で公開しているため、社歴の浅いメンバーも決定事項やプロジェクトの経緯を理解することが可能です。拡大期の弊社にとっては、新メンバーへの共有がしやすいという点でも効果的です。
――社員の皆様はどのような時に出社されるのでしょうか?
チームによって出社頻度は異なりますが、来客時や業務内容、人数によってはオフラインで議論しやすい場合もあるので、その時は出社します。例えば、バックオフィスを支えるコーポレート部門は、決算期には出社が増えてきています。
――社員の健康維持や運動不足解消などのために、企業として取り組まれている施策や工夫があれば教えてください。
月に1度、中野ジェームズ修一氏をコンディショニングトレーナーとしてお迎えし、トレーニングやストレッチなどのレッスンと食事・栄養・睡眠など健康に関するコンディショニングセミナー(座学)を計1時間オンラインで開催していただいています。弊社オリジナルの「hacomono体操」を行うと、運動不足の体にしっかり効きます(笑)。また、福利厚生の一環としてジムやパーソナルトレーニングなどの費用を補助するといった支援をしています。もちろん、オフィスに設置したワークアウトルームも自由に利用することができ、健康を維持するサポートに注力しています。
――2022年10月からフルフレックスタイム制を開始されるそうですが、この働き方を採用された背景を教えてください。
働き方の多様性を広げるという目的に加え、採用面のアドバンテージとなるといった点からフルフレックスタイムを導入しました。コアタイムは定めていませんが、ガイドラインとしては9-18時を協働推進時間として設けています。
世界観を体現したオフィスへ
――創業からこれまでのオフィスの変遷について教えてください。
今回のオフィスが4箇所目になります。これまでのオフィスは全て池袋に構えていました。最初は4人で12坪のオフィスから始まりましたが、直近は40坪と徐々に規模を広げ、今回は200坪のオフィスに移転しました。
――今回のオフィス移転の経緯や目的について教えてください。
事業拡大に伴う従業員増加への対応と、より良いオフィス環境をつくろうという想いから移転を決めました。オフィスにはhacomonoの世界観を体験いただけるように、また、IoTなどの研究開発のためにワークアウトルームを設置しました。「フィットネスを生活の一部に」をコンセプトに、今後増えてくる多様な人材やお客様が気軽に立ち寄り、hacomonoの世界観を体験いただけるような空間づくりを目指しました。
――移転プロジェクトで何が一番大変でしたか?
hacomonoの世界観をオフィスデザインに落とし込んでいく作業が大変でした。デザインは「モダン」「シンプル」などのキーワードを追求し、余計な装飾や色彩を削ぎ落しながら何度も検討を重ねました。
「動」と「静」のコントラスト
――新オフィスの設計やデザインへのこだわりについて教えてください。
集中できる執務室の「静」とワークアウトルームの「動」のコントラストをコンセプトにこだわりました。執務室は、壁に強すぎず落ち着く色を一色アクセントとして入れています。エントランスは運動を連想させるような雲梯(うんてい)のデザインの照明を設置し、ワークアウトルームは海外の先進的なジムをイメージして間接照明と石にこだわりました。
レイアウトとしては、オフィスに入った時「hacomonoらしさ」を最初に感じることができるよう、エントランスの近くにワークアウトルームを設置しました。また、執務室は一つの空間の真ん中にあえて会議室を設けることで空間を分け、より集中できるようにしています。
――ご移転後に全社でのオフラインイベントを実施されていましたが、どのような目的でどのようなことを実施されましたか?
新オフィスのお披露目と「hacomonoらしさ」とは何なのかを考えるきっかけにすることを目的としていました。フルリモートの会社なので、オンラインとオフラインを選択制にして、それぞれの良さを融合させた一つの場になるよう企画しました。チームビルディングを兼ねてオンラインとオフライン融合のチームをつくり、謎解きゲーム等も行いました。また、投資家の方からhacomonoの良さを直接お話ししていただき、社員としてはチームを超えたコミニケーションを取ることができ、会社全体の一体感を感じられる良い機会となりました。
ウェルネスをより身近なものに
――これから企業として挑戦していきたいことや事業の展望について教えてください。
hacomonoのミッションである「ウェルネス産業を、新次元へ。」の実現に向け、より良い社会につながる日本の健康課題解決に貢献できるような事業をウェルネス産業とともに推進してまいります。
――この度は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。
編集後記
約200坪という大きなフロアには「動」と「静」という2つの顔を持った空間が広がっていました。エントランスに入ると真っ先に目に入るのが「動」を感じさせる高級感あふれるジム。その先にある雲梯(うんてい)をモチーフにした照明の下を通り、奥へ進むとシンプルな執務室・会議室があり、「静」を感じることのできるスペースがありました。フルリモート制を導入されているhacomono様ですが、思わず出社したくなるような魅力的なオフィスでした。
「hacomono」らしさをぎゅっと詰め込んだオフィスからウェルネスを新次元へ導くサービスが生み出されています。
インタビュー/服部
編集/木村
撮影/西崎