社外にダイニングバー!? 新しい体験と教養を提供するCLPの試み

Vol.24 株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービル 3F

https://crea-lp.com/

生命保険・不動産投資・投資信託・アンティークコイン・ウィスキーカスク(樽)など世の中にある様々な投資商品をカスタマイズした資産運用を提案する株式会社クレア・ライフ・パートナーズ。2016年に新宿センタービルに入居した同社は、2021年にオフィスの館内増床を実施。2022年8月には本社から徒歩3分の場所に社員も一般のお客様も利用可能なダイニングバーをオープン。増床したオフィスのこだわりやダイニングバーオープンの経緯や目的について、ライフマネートレーナーの石川様にお話を伺いました。

ライフマネートレーナー 石川福美様

投資をもっと身近に

――御社にご相談されるお客様はどのような方が多いですか?

結婚や出産でライフステージが変わる30代、これまでを振り返り今後を考える40代といった現役層の方々から最も多くご相談をいただきます。一番下は学生の方から、上は80代の方まで、幅広い年代の方からお金の悩みをご相談いただきますが、ライフプランも多様化しているため、今後のキャリアプランを踏まえた上でのマネープランを構築したい方など、単身世帯の方も多いですね。

――コロナ禍において御社の業務にはどのような変化がありましたか?

リモートワークが増えたことによってお客様に時間ができ、お金のことや自分のライフプランについて考える方が増え、ご相談件数も増加しました。コロナ禍以前はオフラインのオープンセミナーを実施していましたが、コロナ禍以降は一般向けのオープンセミナーは中止し、ご紹介の方限定や福利厚生として弊社のサービスを導入いただいている企業の社員の方などに限定してオンラインセミナーを行っています。

――御社のサービスの強みを教えてください。

一番の強みは、単一商品に限らず「オールアセット・ワンストップ」のサービスを提供している点です。富裕層の方向け、資産形成段階の方向け、法人向け、国内外の金融商品・実物資産など、さまざまなニーズに合わせた商品を幅広くご提案することが可能です。

ハードワークを支える制度

――コロナ禍で御社での働き方はどのように変化しましたか?

コロナ禍以前はお客様に100%ご来社いただいて打ち合わせしていましたが、現在は7〜8割のお客様がオンラインでの打ち合わせに移行しています。お金のことなので対面で話したい、という方にはもちろん出社して打ち合わせします。弊社ではオンラインでの打ち合わせの急増や一般向けのオフラインセミナー中止により、週2日、在宅勤務をすることが可能になりました。ライフマネートレーナーは幅広い知識が必要なので、ある程度1人で業務できるようになるには入社から2年近くかかります。そのため、社歴が浅いメンバーは出社して先輩社員から学んでいることが多いですね。

――オンラインとオフラインをどのように使い分けて業務されていますか?

自分の働きやすさに合わせて使い分けています。ヒアリングや有価証券のご説明などはオンラインでも対応できますが、コインやウイスキーなど、実物を見て体験しながら知識を増やしていただくのに適した商品は出社して、社内でご説明することが多いです。

――御社ならではの社内制度や社員のニーズに合った取り組みがあれば教えてください。

弊社では、1人が複数の業務を兼務しておりハードワークのため、社員に裁量を持たせて出社時間や休日を自由に決めることができるようにしています。
弊社ならではの制度として、社員自身が投資を実践できるよう、資産形成手当を設けています。自己の投資体験を通したお客様への情報提供を大事にしているため、社員が投資をする際の手数料を全額補助しています。自ら投資を行うことで、お客様の不安や期待に寄り添うことができると考えています。また「オフィスおかん」を導入して会社が食事代を負担するなど、食事面から社員の健康管理を支援しています。

安心感が伝わるオフィス

――2016年に新宿センタービルに移転された際は、どのようなことを重視してオフィス選定や内装設計をされましたか?

以前は東新宿と西早稲田の間にオフィスを構えていました。ご来社いただくお客様や社員数の増加によって、面積が足りなくなったことがきっかけで移転をすることになりました。創業間もない頃は知人やご紹介といった社員の身近なお客様が多かったのですが、会社の認知度が高まるにつれて、初めてお問い合わせをいただくお客様や上場企業様にもご利用いただくようになってきたため、大切な資産を任せても大丈夫という安心感をもっていただけるようなグレードのビルにオフィスを構えたいと考えました。

――新宿という立地の魅力や新宿センタービルの良さについて教えてください。

新宿駅は複数路線が乗り入れるビッグターミナル駅で、新宿センタービルには地下通路を通って雨にも濡れずにご来社いただけるため、非常に利便性が高いです。当ビルは新宿エリアで歴史のある大型ビルのため、ご存じの方も多く、お客様にもご安心いただけていると感じます。

――2021年に館内増床をされましたが、その経緯とその後の変化について教えてください。

当初新宿センタービルに借りた区画が手狭になり、隣接区画のテナント様が退去されたため増床を決めました。お客様の資産形成にまつわるプライベートなご相談ということで「最初は対面で相談したい」「オフィスを見ておきたい」といったオフラインニーズもあったため、弊社では会議室の数を2倍に増やしました。オフラインの方が初めてのお客様にも信頼感を持っていただきやすく、社員教育という面でも出社した方が効率良く業務ができ、コミュニケーションも円滑にとれていると感じています。

オンラインセミナールーム「Studio」を新設

人生と自然をリンクさせたデザイン

――現オフィスの設計やデザインのこだわりポイントを教えてください。

私たちの仕事は、お客様と一時的なお付き合いでは終わらず、人生に長く寄り添う仕事です。「人生」は楽しい時もあれば苦しい時もあります。これは、穏やかな時もあれば牙をむく時もある自然と重なる部分があることから、5つの会議室には自然にちなんだ名前をつけ、テーブルの天板や脚の色も各部屋のテーマに沿った色を選択しました。ライフプランの相談は重く大変な印象をお持ちのお客様が多いですが、ご来社いただくのを楽しみにしていただけるように、ガラス貼りで明るく、部屋ごとに異なるテイストにしています。

明るく透明度の高い会議室が通路の両脇に並ぶ

「Ocean」「Volcano」「Glacier」「Cave」「Peak」「Sky」「The SUN」という室名の7つの会議室

人財が一番重要な中心部という考えから社内研修ルームは「Core」と命名

オフィスの外に作った新しい場所

――社外にダイニングバーをオープンされましたが、経緯や目的について教えてください。

オフィスの増床を考え始めた時期からダイニングバーのオープンも考えていました。社員が仕事終わりに立ち寄れる憩いの場を作りたいという想いと、お客様に新たな価値を提供したいという想いから生まれた場所です。弊社では社員同士で飲みに行くことも多いのですが、コロナ禍で遅くまで営業している飲食店が激減したため、会社の近くに遅い時間でも利用できる食事の美味しいお店が欲しいというニーズがありました。あえて社外に飲食店を作ることで一般の方にも来店いただけるようにし、会社とは異なるリラックスできる場所を作りました。社員は2割引で利用することができます。

お客様にも、オフィスでの打ち合わせ後に、都会の喧騒を忘れられる隠れ家のように当店をご利用いただけます。弊社ではスコッチウイスキーのカスク(樽)を投資商品の1つとしてご提案しておりますが、購入したウイスキーを実際にバーで体験できたり、オリジナルボトルを作るサービスもあります。また、スコットランドからウイスキーの作り手の方やワインの作り手の方を招き、直接知識をご教示いただきながらお酒を愉しむといった体験ができるイベントも企画しています。
弊社のお客様はお金の知識だけでなく、人生を豊かにする幅広い知識を求められる方が多く、資産形成の支援以外にも新しい体験や知識を会社として提供していきたいと考えています。

代表の工藤様の著書「隣の人の投資生活」に登場する喫茶店と同じ店名に

お酒の作り手を招いたイベントも店内で開催

店内に展示の現代アートは購入も可能

――実現にあたって大変だったことがあれば教えてください。

飲食店の企画や開店の経験者が1人もいなかったため、飲食店ならではの設備や配管を考慮した内装の検討が大変でしたね。店舗専門の施工会社様の力を借りながら想いを形にしていきました。弊社の場合、本店舗は売上目的ではなく、社員の福利厚生とお客様への新たな体験の提供という意味が強いので、ご利用いただけそうな具体的なお客様の顔を思い浮かべながら、実現したいことと数値を擦り合わせていきました。外観は雑居ビルでもお店のドアを開けると驚きがつまっている、そんなギャップがあるお店を目指しました。運営は外部に委託せず、店舗で料理を作る運営メンバーは自社で雇用し、企画や経理総務は本社メンバーが担っています。

これからの10年

――これから企業としてチャレンジしていきたいことや今後の事業の展望についてお聞かせください。

創業10周年を迎えた現在は「オールアセット・ワンストップ」のコンサルティングサービスが出来上がったタイミングなので、これからの10年をかけてさらにサービスの認知を広げ、たくさんの人の資産形成にお役に立ちたいと考えています。そのために、上場企業の福利厚生制度の1つとして弊社サービスをより多くの企業様に導入いただき、資産形成はオールアセット・ワンストップが当たり前であることが認知される世の中を作っていきたいと思います。ウイスキーのカスク(樽)に投資する事業は、これから日本でも参入企業が増えてくると予想されます。先駆者としてマーケットでの地位を確立し、本事業の拡大をはかっていきたいと考えております。

――この度は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。 

編集後記

オフィス内にカフェやバーを設ける企業は増えてきましたが、オフィスの外に一般の方も利用可能なダイニングバーをオープンするという面白い事例でした。社員の福利厚生という側面以外に、お客様へワクワクする投資体験を提供する場所になっている点が事業にも繋がる新たな価値だと感じました。

インタビュー・編集/服部
撮影/平井