【オフィスの原状回復】削減方法や対象範囲、住居との違いをご紹介!

今年の夏以降、新型コロナの対応によるリモートワーク等のニーズでオフィスを返却する企業が増えました。

『止まらない企業のオフィス解約、コロナ禍での原状回復工事の依頼数が170件超に』
記事:https://www.jiji.com/jc/article?k=000000006.000058989&g=prt

そこで、今回は意外とトラブルになりやすいオフィスの原状回復について解説していきたいと思います。

目次

 

原状回復のトラブル事例

入居時に問題なく合意をしていても、原状回復時に往々にして費用のトラブルが起こることがあります。ここでは、具体名は伏せて、実際にあった事例をご紹介いたします。

<実例>

入居から2年で退去することになった際の事例です。東京都千代田区にある約30坪のオフィスで、原状回復費用は借主の想定より高く200万円(約6.5万円/坪)を超える請求額でした。これには物件固有の理由もありますが、内装の造りこみをしていたことが大きな要因の一つでした。

※室内イメージ。実際の写真とは異なります。

 

原状回復とは?原状回復の範囲は?

オフィスを退去するときは、壁や床、天井等を入居時の状態に戻して返却する必要があります。これを原状回復と言います。オフィスの原状回復費用は、住居用物件とは違い経年劣化や自然損耗も含めて借主負担とする契約が一般的です。

オフィスと住居用物件の違いとしては、賃料に含まれるものの考え方が異なります

住宅の場合

住宅の場合は、入居者の使用方法がほとんど変わらないため、損耗の程度が予測しやすいです。そのため、どのくらい補修や修繕に費用が掛かるかを見積もりがしやすく、原状回復費用を賃料に含めることが出来ると考えられています。

したがって、経年劣化や自然に使っていて汚れていく分(自然損耗)は原則的に貸主負担となりますが、借主の使い方に起因した汚損・破損や契約書で定められている原状回復内容は借主の負担となります。

 

オフィスの場合

一方、オフィスの場合は会社によって出入りする人数が違ったり、業種によって使用方法が大きく異なったりするため、予め補修や修繕にかかる費用が予測がつきません。そのため、原状回復費用相当分は賃料には含めず退去時に見積もりが提出され、預けている保証金(敷金)から原状回復費用が差し引かれます。

上記より、契約書で個別に原状回復基準等を作成して双方の合意が図られます。

ちなみに、国土交通省発行の「原状回復ガイドライン」というものがありますが、オフィスではなく賃貸住宅を想定したものになっているので、利用する際は注意が必要です。HPの<利用について>でも下記のように明記されております。

「このガイドラインは、賃料が市場家賃程度の民間賃貸住宅を想定しています。」

出所:http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html

 

原状回復の相場はどのくらい?

オフィスの原状回復費用はビルの規模や室内の状況、工事業者の繁忙時期によって変動するので、一概には言えません。ただ、材料費や人件費、経費率からおおよそ下記のような金額帯になることが多いです。

ビル規模 費用(坪単価)
小・中規模物件(1フロア:20坪以上100坪程度) 3~6万円/坪
大規模物件(1フロア:100坪以上) 7~13万円/坪

特に、ハイグレードビルの場合は15~20万/坪ほどかかることもあります。これは設備に高性能な部品やシステムが使われていることがあり、より専門的な業者が施工する必要があるからです。

 

費用の削減方法は?

契約内容や造作物の部材、時期によって変動がありますが、原状回復費用を削減しやすい方法をご紹介いたします。

居抜き退去を選ぶ

内装がおしゃれであったり、汎用性が高い(例:会議室がある)レイアウトの場合は貸主側に居抜き退去の交渉ができる場合があります!数百万円の削減になった事例もあります。

<実例>で紹介したケースだと、造作が汎用的でおしゃれな部材も使用していたため、居抜きで退去することができ、費用の圧縮が出来ました。

 

原状回復コンサルティングに依頼する

確実に削減できるわけではありませんが、貸主から上がってきた見積もり書を基に原状回復費用を削減できる可能性があります。また、費用だけでなく原状回復時に起こり得るトラブルを回避できるというメリットもあります。

通常原状回復にかかるコストを詳細項目ごとに確認して、無駄な作業がないか、追加で費用が掛かっていない等をじっくりと検証し削減交渉の材料にします。

<実例>で紹介したケースだと、コンサルティングの結果、約200万円が約155万円程度まで削減できそうだと見積もりが出ていました。実際には居抜き退去を選択したため、費用削減の交渉は行っておりませんが、選択肢として魅力的だと思います。

オフィスの原状回復でお困りごとやご質問があれば弊社までお問い合わせください。

 

◆補足:入居時工事の設計を簡易的にする

入居工事の際にパーテーションや配線、照明を複雑な造りにしないように意識すると解体工事の工数が減る場合があるので、全体費用を削減できる場合があります。

パーテーションの設置の際に、欄間(上部の開口部)を作らず機密性を高めると、声が漏れにくくなる反面、消防設備の増設が必要になります。この増設された消防設備も原状回復で元に戻す必要があるので、費用がかかることがあります。

 

まとめ

オフィスの場合、原状回復は契約書に基づき発生し、その費用は借主負担になります。思わぬトラブルに見舞われることもあるので、事前に入居の際に契約書の確認・すり合わせをしておきましょう!そして、退去の際に新たな選択肢として、「居抜き」が注目されております。

弊社では、多数の居抜き入居と退去を支援してまいりました。豊富な物件情報量に加えて、実績に裏付けされた最適な入退去サポートをいたします。