
Vol.48 株式会社Fit Founder
東京都中央区晴海1-8-10 晴海アイランド トリトンスクエア オフィスタワーX棟 9階

代表取締役社長 八賀 晋太朗様
国内外を問わず、再生可能エネルギー事業を展開する株式会社Fit Founder。
訪問営業を中心とするビジネスモデルの中でも、社員が集まり、前向きなエネルギーを共有できる場として、オフィスの在り方を大切にしてきました。新オフィスに込めた想いや、空間づくりを通じて目指す組織の姿について、代表取締役社長の八賀様にお話を伺いました。
エネルギー分野を一気通貫で手掛ける強み
――御社の事業内容を教えてください。 主力事業や特徴的な取り組みについてもお聞かせください。
弊社は、BtoC・BtoBの両軸で再生可能エネルギー事業を展開しており、太陽光発電や蓄電池を中心としたエネルギー分野において、技術開発から導入、運用までを一貫して手がけています。
一般的な太陽光発電の販売にとどまらず、住宅向けの太陽光・蓄電池の導入支援をはじめ、リフォーム事業や緊急駆けつけサービスなど、コンシューマー向けに幅広いサービスを提供している点が特徴です。
一方で、法人向けの取り組みにも力を入れており、大学や企業を対象とした太陽光発電の導入では、「自己託送」を可能にする独自のエネルギー活用技術を取り入れています。複数の拠点を電力網でつなぎ、発電した電気を拠点間で共有することで、エネルギーをより効率的に活用できる仕組みを構築しています。

また近年は、系統用蓄電池事業にも注力しており、自社で土地の開発から行い、設計・工事までを含めたプロジェクトマネジメントを一気通貫で担っています。さらに、インドにも拠点を構え、海外におけるエネルギー開発にも取り組むなど、国内外を視野に入れた事業展開を進めています。

――ユニークな取り組みとして、愛知県栄でフィットネスジムも展開されていますよね。
そうですね。少し異色ではありますが、ライフコンサルティングの一環としてフィットネスジムの運営も行っています。趣味から派生してジムのオープンに至りました。収益性だけを目的とするのではなく、「人をポジティブにする場」をつくるという想いから生まれた事業で、当社らしさを象徴する取り組みの一つだと考えています。

REAL FIT by zoomer (名古屋)
前向きな熱量を生むオフィスづくり
――移転を進めるにあたり、オフィス選びで重視された点を教えてください。
社内から最も多く上がった声は、「狭くないオフィスがいい」というものでした。
人が増え、事業も多角化する中で、物理的な余裕がなくなることは、働きやすさや心理的な余白を奪ってしまいます。そのため、広さや開放感は重要な条件でした。
また、代理店様や外部のパートナーが来社される機会もあるため、オフィスが会社の顔として、「ご来訪の際に会社としての勢いや信頼感を感じてもらえる場所にしたい」という意見もありました。単に業務を行う場ではなく、社員が誇りを持てるオフィスであることを大切にしました。

―― 数あるビルの中で本ビルへ入居された決め手は何ですか。
決め手の一つは、立地や周辺環境の魅力です。
帰り道に銀座方面まで歩くこともあるのですが、海も近く、橋がとても綺麗なんです。橋を渡りながら街の景色を眺められるのが心地よく、運気も良さそうだなと感じました。
退勤時間に外を歩きながら仕事のことを整理したり、次のアイデアを考えたりする時間は、私にとってとても大切な時間になっています。
内見は20件ほど行いましたが、本ビルはビル内に多くの企業が入居しており、上場企業をはじめとした大企業と同じ空間で働ける点が魅力でした。行き交う人々を見て、「自分たちもここまで追いつくぞ」と、前向きな刺激を日常的に受けられる環境だと感じました。
また、営業メンバーが車を使うことも多いため、駐車場コストを含めた実用面でのバランスが良かったことも、大きなポイントでした。


――今回の移転で、印象に残っているエピソードを教えてください。
特に大変だったのは、東京と名古屋、2拠点の立ち上げがほぼ同時進行だったことですね。内装デザインもゼロから考える必要があったので、施工会社探しからスケジュールの管理まで、かなりタイトな状況でした。
社内メンバーが中心となってプロジェクトを進めてくれたのですが、事業の成長と並行しての移転準備だったため、本当に大変だったと思います。今振り返っても、「よく乗り切ったな」というのが正直な感想です。
――オフィスの内装は、どんなこだわりで考えられましたか。
我々のビジネスモデルとして、ご来訪いただくよりも自分たちが訪問させていただくことのほうが多いので、まずは「オフィスで働く仲間がポジティブになってもらえる場所にしたい」という点を一番に考えていました。
その中で意識していたのが“風通し”です。
間取りに関しても、極力物は少なく、開放感のある空間づくりをイメージしていました。正直、机を詰め込んで人を多く配置することも可能ですが、そうしたつくりにはしたくなかったんですよね。
執務室とオープンスペースをきちんと分け、物理的にも気持ちの面でも、風通しの良いオフィスにしたい、という想いがありました。
私の個人的なお気に入りの場所は、窓側の席です。日差しがよく入りますし、レインボーブリッジを望むことができます。カウンター席になっていて、ランチタイムなど、休憩や気分転換の時間に、社員の皆さんに使ってもらう機会が多いです。

――完成した新オフィスをご覧になって、社員の皆様の反応はいかがでしたか。
我々のような業界で、ここまで固定費に妥協せずお金をかけている会社はあまり多くないと感じています。だからこそ、完成したオフィスを見て、驚きとともに前向きな反応を多くもらっています。
そして個人的にすごく嬉しかったのが、女性社員から「すごく働きやすい」といった声をもらったことです。
席の間隔を広めに取ったことや、女性だけが使えるスペースを用意したことが社員の方へしっかり届いているんだなと実感しました。

集まることで生まれる組織の一体感
――「オフィスで働く」ことの意義を、どのように感じられているのかについて教えてください。
まず私個人として思っているのは、お客様に大切な商品をお届けする以上、自分自身がしっかりビジネスに前向きな状態でいないと、良い商談や良い提案は生まれないということです。
一つの提案を行うにしても、皆が顔を合わせられる場所に集まって事業に対するディスカッションをしっかり交わす。そうした積み重ねが、想いのこもった提案につながり、お客様に向き合う組織の熱量を高めていくのだと思います。
弊社では“会って話す”ことをすごく大切にしています。課題を整理するときも、実際に顔を合わせてみんなで話し合うことで新しいアイデアが出たり、課題の解決以上のものが生まれたりするんですよ。
リモートでは伝えきれない空気感や感情もあるからこそ、あえてオフィスに集まり、顔を合わせて働く。その価値を、オフィスの重要性として実感しています。

――組織の一体感を高めるうえで、オフィスをどのように活用されていますか。
だいたい3〜4ヶ月に1回、少なくとも半年に1回は、社内交流を目的としたイベントを実施しています。手掛ける事業の数も多いため、事業や職種を越えた交流はとても大切にしています。
例えば、土地の地上げを担当するメンバーもいれば、お客様に提案を行う営業マン、設計や電力配線を担当するメンバー、売却までを担当するメンバーもいます。バックヤードや人事も含めると、現時点で9種類ほどの事業があります。
こうした多様なメンバー同士の関わりを重視し、4ヶ月に1回程のペースで交流の場を設けています。本ビルにはテナント共用部があり、60名ほど入れるスペースや、最大で1,000名規模の会場もあるため、そうした場所を活用して社員総会なども開催しています。
その中で、”熱狂”という輪を作るためには、会社として掲げているビジョンに対して、どれだけ前に進めているのかをきちんと共有することが大事だと考えています。
現在、世界展開を視野に入れた成長を目指す中で、目標に対してどこまで進んでいるのか、売上や利益の状況も含めて、社員へ全て開示しています。透明性のある経営を目指してるので、基本的に隠すことはありません。
そのうえで、具体的に「今の事業をどう伸ばしていけば、どのような未来につながっていくのか」を社員一人ひとりがイメージできるように伝えています。こうした共有を半年に1回必ず行い、現在地とこれからの成長の方向性を、常に全員が把握できる状態をつくるようにしています。
――「一緒に働きたい人物像」と働くうえで大切にされている価値観について教えてください。
素直で元気いっぱいの方ですかね。知識や経験以上に、学ぶ姿勢があり、元気に行動できる人は、結果的に大きく成長していくと感じています。
そして今大事にしてるのは、常にチャレンジすることです。例えば、上場企業と会社を一緒に作ったり、インドに開発のモデルを探しに州知事にも会いに行ったり。社長である私も常に挑戦し続けることを意識しています。
弊社はチャレンジの多い環境です。
だからこそ理屈だけで立ち止まらず、まずは実行してみる。分からないことは素直に聞く。そうした姿勢を持つ方と、一緒に熱狂しながら事業をつくっていきたいと考えています。チャレンジをしたい方が集まる場所として、より全体でステップアップできる環境づくりをしていきたいです。

――地域や人とのつながりについて、どのような想いを持って事業や活動に取り組まれていますか。
私たちが大切にしているのは、常に「育ててもらったところへの感謝」を忘れないことです。 弊社の事業は、本当に“人ありき”で支えられていると日々実感しています。
仕事として関わる方だけではなく、自治体の方々や事業に対して理解を示してくれる地域の皆さまなど、さまざまな立場の方の想いが重なって初めて事業が成り立っていると思っています。

そうした背景もあり、地元・愛知への貢献は自然と続けてきました。
例えば、母校の吉城高校へのルームランナーの寄贈や、地域スポーツへの支援として名古屋グランパスのスポンサーを務めています。社員が前向きに働ける環境づくりと同時に、応援される会社であり続けることを大切にしています。
実際にスポンサー活動を通して選手の皆さんと接すると、人としての在り方や言葉の重み、結果を出してきたからこその姿勢に触れることができすごく刺激を受けるんですよね。そうした体験を、私個人だけではなく社員とも共有できることに、大きな価値を感じています。
また、大学のスポーツチームへの協賛など、次の世代を応援する取り組みにも力を入れています。真っ直ぐに物事に向き合う学生たちと関わる中で、こちらが勇気をもらう場面も多く、彼らが何かに本気で取り組む背中を、少しでも支えていけたらと考えています。
これらの活動は、単なるCSRではなく、コーポレートブランディングの一環として位置づけています。地元や自治体の皆さまと輪をつくり、応援される会社になること。それが結果として、持続可能な社会づくりにつながっていくと考えています。
こうした取り組みの積み重ねもあり、2023年には「学生が選ぶ愛知の企業100選」に選出していただきました。
愛知県は自動車をはじめとした製造業が非常に盛んな地域ですが、その中で私たちは新興企業として再生可能エネルギーに特化して事業を続けてきました。その姿勢が、サステナビリティにつながる活動として評価され、学生の方やこれから社会に出ていく若い世代に「勇気を与えた」と受け取っていただけたことを、とてもありがたく感じています。


「再生可能エネルギーといえばこの会社」へ
――今後の事業展望を教えてください。
現在は、太陽光発電の建設をゼロから手掛け、系統用蓄電池までを一気通貫で担える体制がようやく整ってきたと感じています。この強みを活かし、今後は日本全体のエネルギーを支える仕組みづくりに挑戦していきたいと考えています。
電気代は、実は時間帯によって大きな変動があるんです。その乱高下を調整する役割を担うのが系統用蓄電池やDR(デマンドレスポンス)です。私たちはこれらを活用し、街全体のエネルギーをマネジメントするような仕組みを構築することで、日本全体の電力需給を最適化していきたいと思います。
さらに今後は、海外展開にも注力していく方針です。
海外のパートナーやファンドと連携しながら、日本で培った仕組みやプロジェクトマネジメント力を強みに、グローバル市場にも挑戦していきたいと思っています。最終的には、「再生可能エネルギーといえばこの会社」と言われる存在になることが目標です。
その中でオフィスは、単なる作業場ではなく、社員が集い、議論を重ねながら次のチャレンジへ向かっていくための拠点であり続けたいと考えています。
日本の再生可能エネルギー事業の中でも、ここまでオフィスづくりに力を入れている企業はまだ多くありません。だからこそ、その姿勢を社内外にしっかりと示していきたいと思っています。それを通じて、社員一人ひとりがより自信を持ち、結果的に採用やさまざまな活動の面においても、胸を張れる会社になっていくと思います。


――この度は貴重なお話をお聞かせいただき誠にありがとうございました。
編集後記
シックで洗練されたデザインが印象的なオフィスでした。
再生可能エネルギーという社会性の高い事業を支えているのは、技術や仕組みだけでなく、社員同士が熱量を共有できる「場」の存在なのだと感じます。
単なる作業場ではなく、人と人が顔を合わせ、議論を重ねながら組織の一体感を育てていくための土台として、オフィスと組織づくりが密接につながっていることを、改めて実感する取材となりました。
インタビュー・編集/志野
撮影/平井

