株式会社マツリカ
東京都中央区東日本橋2-7-1 FRONTIER東日本橋 6階
https://mazrica.com/
規模:約112坪
2024年4月「つい行きたくなるオフィス」をコンセプトに掲げ、オフィス移転をされた株式会社マツリカ。オフィス移転と新設した「コミュニティスペース」の内装デザインを弊社のオフィスコンサルティング事業部とファシリティマネジメント事業部がお手伝いさせていただきました。移転エピソードやオフィスのこだわりについて、Corporate Culture Division Managerの黒木香織様にお話を伺いました。
成果を最大限に発揮できる働き方を求めて
――御社の事業内容と、特に成長・注力されている分野について教えてください。
「創造性高く遊ぶように働ける環境を創る」をビジョンに、次世代型営業DXプラットフォーム「Mazrica」の開発・提供やデジタルセールスルーム「DealPods」を開発・提供しています。
「Mazrica」は営業の案件や顧客管理だけではなく、組織のナレッジやデータを資産に変えて「強い営業組織」をつくる次世代型営業DXプラットフォームで、蓄積された情報からAIが営業の成功・失敗事例を解析して、いつ・誰に・何を・どのように行うかを直接的に支援することが可能です。「誰でも使える・誰でも成果を出せる」ことが特徴的です。
――社員の皆様はどのような働き方をされていますか?
弊社は2015年の創業当初からリモートワークを導入していました。コロナ禍以前は、リモート勤務が可能であっても多くのメンバーが出社していました。しかし、コロナ禍の出社制限が緩和されると、リモート勤務に慣れたためか想像以上にオフィスに戻ってくる人が少なくなりました。経営陣はユーザー様に最大限の価値を迅速に提供するためには密なコミュニケーションが重要だと考え、出社のルールを設けることになりました。
現在、社員の1/4はフルリモートで、私を含め地方や海外に住んでいます。その他のメンバーは基本的に週2回の出社をし、残りの3日はリモートと出社を自由に選べる体制を整えています。金曜日には全員出社するルールがあり、各事業部ごとに週1回対面での定例会を開催しています。オフィスにはコミュニケーションをとるうえでの利点があるため、マストで出社しなければならない日以外にもオフィスに来るメンバーは多くいます。
――ビジョンである「創造性高く遊ぶように働ける環境を創る」を実現するための取り組みは何かありますか?
弊社では、福利厚生として「ベビーシッター補助制度」や、働く環境を整えるために必要な費用を支給する「勤務環境手当」などの制度を導入しています。また、創造性や生産性向上のためには従業員同士のコミュニケーションが欠かせないため、社内の交流イベントを開催するなどして、ユーザー様への価値提供をより一層向上させることを目指しています。社員が最大限に成果を発揮できるよう、全力でサポートしています。
「自分たちだけ」のオフィスである意味
――今回のオフィス移転の経緯についてお聞かせください。
以前はシェアオフィスに入居していましたが、コロナ禍明けにも関わらず出社するメンバーはあまり増えませんでした。シェアオフィスは設備が非常に充実しており働く環境も整っていましたが、社内のコミュニケーションに関しては課題が残る状況が続いていました。
オフィスの契約更新が近づいた際、野村さんからオフィス移転の提案をいただいていたのですが、シェアオフィスから自分たちだけのオフィスに移る覚悟がなかなか決まらず、一度は移転を見送り契約の更新を行いました。その後、再度契約更新の時期が近づいた際に移転の提案を受け、メンバーがオフィスに出社しやすいルールを整えることを前提にオフィス移転を決意することとなりました。
――移転を決意されるまで迷いがあったのですね。
はい。ただ、出社率の問題以外にもいくつかの課題を感じていました。シェアオフィスは多くの企業が入居しているため「自分たちのオフィス」という感覚が薄く、愛着が持ちにくいと感じていました。設備や会議室は充実していたものの他の企業と共有するため、自分たちだけで自由に利用できるスペースやリラックスして会話を楽しむためのエリアが限られており、コミュニケーションのとりづらさもありました。より良い環境で働き、ユーザー様への価値提供を最大にするためにも移転を決意して良かったなと感じています。
オフィスに「つい行きたくなる」工夫
――どのような条件でオフィスを探されていましたか?
費用を考慮し、セットアップオフィスや居抜きオフィスに限定して探していました。どちらも元々の内装がマツリカらしいものであることが絶対的な条件だったため「これだ!」と感じる物件に出会うのは難しかったのですが、それでも8物件ほど内見を重ねました。迷いながらも、最終的には2つの物件に絞り込みました。
――FRONTIER東日本橋への入居の決め手となったポイントは何ですか?
金額や雰囲気が条件にマッチしたことは非常に大きな要素でした。また、数年前に東日本橋のシェアオフィスに入居していた経験があり、そのエリアには土地勘があったため馴染み深い場所であることも決め手となりました。条件面でも多くの交渉を行っていただき、野村さんの支援があったおかげで最終的にFRONTIER東日本橋に入居することができたと感じています。
――新オフィスのコンセプトについて教えてください。
「つい行きたくなるオフィス」をコンセプトに掲げ、移転のきっかけとなったコミュニケーションの促進を実現するために新たに「コミュニティスペース」を設け、偶発的なコミュニケーションが生まれる仕掛けを作っています。
オフィスの導線にも工夫を凝らし、メンバー同士が偶発的に顔を合わせる機会を増やす仕組みを整えました。具体的には、オフィスのつくりがエレベーターから執務室まで直接アクセスできる設計になっているにも関わらず、あえてその扉を閉じて必ずコミュニティスペースを通って出入りするようにしています。これにより、たまたま居合わせたメンバーとのちょっとした会話が生まれ、業務以外でも交流が促進されるようになりました。「オフィスで誰かと会話がしたい」「オフィスに行けば多くの人がいて楽しいし、ちょっと寄ってみようかな」と思えるようになったのではないでしょうか。
オンラインでは決められた会議以外でのカジュアルな会話が難しいため、コンセプトに基づいたスペースや工夫により、出社することで実現できる自由度の高いコミュニケーションが可能となって非常に良かったと感じています。このように創造性を高め、遊び心を持って働く環境を作ることで新たなアイデアが芽生え、結果としてユーザー様に提供できる価値も最大化できると考えています。
――社員の皆様からもオフィスづくりに関して要望はありましたか?
そうですね。「マツリカワークスタイル」というSlackチャンネル上で、オフィス環境や働き方についての意見を自由に寄せるよう呼びかけています。その結果「もっとこうしたら良くなる」といった創意工夫のアイデアを多数いただいています。実際に寄せられたアイデアから皆が働きやすくなる工夫をどんどん取り入れています。
入社して間もないメンバーから社歴の長いメンバーまで、年次に関係なく情報の共有が行われるオープンコミュニケーションの文化が根付いているからこそ、メンバーも積極的に意見を出してくれると思っています。
――移転に際し、大変だったことはありましたか?
オフィスのデザインにマツリカらしさやコンセプトを落とし込むことが非常に大変でした。例えば、弊社のビジョンをビジュアル化したのがこの壁面にあるデザインで、この世界観を表現するために滑り台をオフィスに設置するという夢もありました。現実的には実現が難しく、壁に描かれたデザインをオフィスに取り入れることにも苦労しました。
そこで、オフィスナビのデザイナーである朝守さんに「公園で遊ぶような自由な雰囲気で」というイメージを伝え、アイデアをいただきました。床下収納を設けたり段差の一部を可動式にするなど、さまざまな注文を実現していただきました。その結果、不規則な段差のひな壇を取り入れた遊び心あふれるスペースを作ることができました。
オフィス環境が目に見える成果に
――移転に際し、オフィスについてのアンケートを実施されたとのこと。どのような結果がわかりましたか?
コミュニケーションのとりやすさについての満足度調査では、移転前に「満足」または「非常に満足」と回答した割合が22.4%でしたが、移転後には56.9%に増加しました。また、業務で関わりのない人との業務以外でのコミュニケーションの量が「少し増えた」または「増えた」と回答した人は全体の69%に達しました。アンケート結果から、多くのメンバーがコミュニケーションの量・質の向上を実感していることがわかりました。
この本質的なコミュニケーションの増加により、新たな施策のヒントを得たり既存施策の見直しが進んだりと、定量的な成果も目に見えるかたちで現れるようになりました。
――今後の事業の展望やオフィス戦略についてお聞かせください。
弊社は来年の4月30日に創業10周年を迎えます。利用していただいているユーザー様の事業成長に貢献できるプロダクトを目指し、とことんユーザー様目線に寄り添いながら、より一層のサービス向上に努めてまいります。利用していただいているユーザー様の事業成長に貢献できるプロダクトを開発し続けます。
オフィスについても、移転後はかなり整備されてきましたが、まだまだ課題が残っています。今後は、コミュニケーションをさらに促進するための仕組み作りを進めていきます。オフィスを積極的に活用し、メンバー同士が意見を自由に交換できる環境を作り上げていきたいと考えています。
――営業担当野村に一言お願いいたします。
ご連絡をいただいたタイミングが非常に良かったことや、何度も多くの物件をご提案していただいたことに心から感謝しています。物件探しの期間が非常に長くなかなか決まらない中で、物件資料にもコメントをつけてくださったり、諦めることなく交渉までしていただきました。何よりも、営業担当の野村さんで良かったと感じたのは、弊社のことを非常によく理解し、私たちの目線に立って寄り添いながら動いてくださったことが伝わったからです。本当にありがとうございました。
――この度は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。
営業担当 野村より
この度はご移転おめでとうございます。オフィス探しからオフィスづくりまでお手伝いできたことを本当に嬉しく思います。今までの移転検討時も今回のご移転に関しても、経営陣の皆様そして黒木さんの会社・社員に対する愛情をとても強く感じておりました。オフィスも本当に素敵で、コミュニケーションの満足度も向上したとのことで安心致しました。
今後ともマツリカ様の成長にオフィスという側面でお力になれればと思っております。
この度はありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。
インタビュー・編集/木村
撮影/平井
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