テクノロジーでくらしも働き方も変えていく TATERUの今とこれから

Vol.5 株式会社TATERU

本社    :東京都渋谷区恵比寿南3-4-14 オーベル代官山2F

東京オフィス:東京都墨田区両国4-36-8 相生ビル2F~4F

https://corp.tateru.co/

エントランスには映像が浮かび上がり来客の目をとまらせる

 

2020年10月に本社を神宮前から恵比寿へ移転し、東京オフィスを両国に開設した株式会社TATERU。
かつては木造アパート建設や管理をメインにされていましたが、不動産管理というストックビジネスで安定していたキャッシュフローを活かしながら、IoTやAIの自社開発・製品化により不動産テック企業へと大きく転身されました。
今回のコロナ禍での働き方の変化やご移転にもトップの意思決定のスピードや柔軟性は大きく影響しているようです。
現在の働き方や新オフィスについて、広報を担当されているブランディング戦略グループの窪様と新本社のデザインを担当された不動産開発部の松下様にお話を伺いました。

社長室 ブランディング戦略グループ チーフ 窪恭平様

 

社長室不動産開発部 主任 松下隆志様

 

出勤orテレワークを選択可能に

――コロナ禍で、ご自身や御社の働き方はどのように変わりましたか?
窪:私は自宅からオフィスまで約1時間かかるのですが、日本で新型コロナウイルスの感染拡大が始まった当初は電車に乗るのも怖かったのでテレワークで仕事し、出社する時は電車の混雑時間を回避して出勤していました。
コロナ以前からも各事業部の一部では在宅での勤務が必要な方にはテレワーク可能な制度を導入していたので、コロナでいざテレワークとなっても慌てて準備することなくすんなりと移行できたのは大きかったですね。

――多くの方がテレワークを現在も継続されていますか?
窪:両国の東京オフィスは人数分の座席は確保しているので、自宅より会社の方が集中できるという方は出社しています。完全にテレワークにしてくれと会社が押し付けるのではなく社員が選択できるようにしており、事業部ごとに管理しています。

――社員同士のコミュニケーションはどのようなツールを利用されていますか?
窪:主にChatworkを利用しています。

――弊社でも活用しています。
窪:いいですよね。早いし、Chatwork liveもできるし1つで完結して便利ですね。
コミュニケーションがメールより気軽で、効率化につながっています。グループもタスクも簡単に作成できるので、社員から上司にエスカレーションする際も上司から部下にブレイクダウンする際も意思疎通がとりやすいです。
稟議承認システムは自社で開発したものを使っています。支払いの稟議などは、申請する社員が確認者を上長、代表、原本確認者などと決めてシステム上で申請すると、管理者が承認をすすめていく形です。承認されていないと、誰のところでとまっているかシステム上でわかります。

――自社で開発できるのは強みですよね。
窪:弊社の扱う商品やサービスは住まいに関わるものが多いですが、バックグラウンドはITで、ソフトやアプリの開発の多くは自社で行っています。

 

面積は変えず、立地転換でオフィス賃料を年間1億円以上削減

――神宮前から恵比寿への本社移転、そして両国の東京オフィス開設の経緯についてお聞かせください。

松下:オフィスの場所の検討は常にあり、コロナ前から移転の話はでていたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大によって本腰をいれて移転を計画していこうということになり、プロジェクトが動きだしました。コロナで二転三転あったのですが、テレワークも可能なサテライトオフィスをつくろうという事がテーマとして掲げられました。
最初は両国にすべて集約するつもりだったのですが、途中から恵比寿の物件も候補としてでてきて、恵比寿は本社とショールームにしようという方針に定まりました。

――どのような目的で両国に東京オフィスを新設されたのでしょうか?
窪:生産性の向上という課題解決条件に、管理が主体のオフィスとなることを考慮し、サテライトオフィスとして、業務環境とコミュニティスペースの提供をメインとして新設を考えました。

大通り沿いのミーティングスペースには広い窓からやわらなか光が差し込む

――オフィスの契約面積は変化しましたか?
松下:両国が3フロアで約230坪、恵比寿が約70坪なので神宮前の時の300坪から合計面積はほとんど変わっていません。

――それぞれのオフィスにはどのような部署の方が勤務されていますか。
松下:恵比寿は1Fに子会社のRobot Homeが入居していますが、2Fはショールームと会議室メインで、本社の執務スペースは10名分程度しかありません。ショールームへのご案内が多いメンバーが勤務しています。

窪:私はPR・広報業務をしているので、やりとりする取引先も渋谷区・港区周辺の企業様が多く、出勤するなら恵比寿が多いです。各従業員のインフラを考慮したうえで恵比寿の方が利便性がよいメンバーは恵比寿に残しています。

松下:賃貸管理部門や総務・経理などのバックオフィスは、お客様先にでていく業務ではないので、両国で執務しています。東京オフィスの座席は人数分を準備しているのですが、基本的には在宅でのテレワークもOKにしています。
恵比寿と両国でコンセプトがはっきり分かれています。

 

 

スマートな暮らしが体験できるIoTショールームを本社に併設

――ショールームは以前からもあったのでしょうか?
窪:前オフィスの時は板橋にモデルルームがあったので、お客様に関してはモデルルームにご案内していました。
今回の恵比寿のショールームについては、ディベロッパー様やそれ以外の様々な企業様向けにも注目していただいています。

――どのように本社オフィスのデザインを進められたのですか?
松下:ショールームを併設するにあたって、従来の弊社が開発するレジデンスの再現というよりは、子会社のRobot Home手がけるIoTシステム「Residence kit」を体験できるデザイナーズマンションををイメージしたショールームをつくってしまってもいいのではという方向性になり、デザインを進めました。

2LDKのマンションの一部をショールームとして再現

――ショールームが併設された新本社のデザインのコンセプトやこだわりについて教えてください。
窪:今回は松下がコンセプトも考案しました。

松下:以前、IT企業などではカラフルさや、ポイントカラーを取り入れたかわいい印象のデザインがトレンドだったのですが、弊社のアプリやツールなどのデザインはカラフルではないので、オフィスやショールームのインテリアも落ち着いたデザイナーズテイストの方が映えるのです。

窪:企業の色にあわせてオフィスを展開していくのですが、特にショールームに関しては商品のブランディングにも関わってくるので、今回の新本社のコンセプトはResidence kit寄りになった感じです。Residence kitのIoTサービスもwi-fiモデルに移行したことによって、壁という障壁を飛び越えてアプリで家電を操作できることを表現した間取りのショールームになりました。また、連携できる商品の対応ボリュームも膨らませることができました。

――こちらのショールームではどのような製品が体験できますか?
窪:例えば、こちらのスマホのアプリで簡単にライトの調光ができたり、掃除機やテレビを動かすことができます。

松下:赤外線で反応する家電は連携できるのです。

窪:学習リモコンにテレビのコントローラを記憶させると、アプリ上にも表示されるようになり、品番を選んで登録することができます。加湿器や空気清浄機なども赤外線で操作できるものをどんどん取り込んでいくとアプリ上で操作可能になります。
家電メーカーごとに専用のアプリもあるのですが、色々なアプリがスマホの画面上にでてきてしまうと煩わしいので、弊社のアプリに登録すれば1つのアプリで全てを管理できます。
また、スマートセキュリティカメラを外に向けて設置しておけば、留守中に窓の開閉センサーが異常を検知した際に、インターネットにつながっているところからであれば旅行先からでもカメラをオンタイムで確認することができます。
もし不法侵入だったらスクリーンショットを撮影し、警察に届け出ることもできます。

 

窪:ここまでのセキュリティと利便性が兼ね備えられたレジデンスはなかなかないと思います。色々なメーカーのIoTを取り入れているレジデンスはありますが、連携は自分でしないといけないため手間がかかります。
Robot HomeのResidence kitが導入されたマンションでは、煩わしい設定が不要で、このアプリさえダウンロードすれば入居後すぐ利用できるのがメリットです。

窪:このアプリ上で管理会社にチャットで質問することもでき、管理会社も入居者様に定期点検や清掃のお知らせなどを通知することができます。
このような製品は色々でてきているのですが、いままでは戸建ての入居者様向けや賃貸ではない物件用のものがほどんどでした。使う方とそうでない方に分かれてしまうと管理会社向きではありませんでしたが、賃貸の入居者様はスマートロック(スマホで玄関の鍵を開錠する)を利用する際にアプリをご利用いただくため、ほぼ100%利用するインフラになるんです。そういう点で弊社の製品はアプリを起動すると他の機能も使っていただけるので利用率が非常に高いです。

ITでくらしや不動産業界を変えていく


――管理会社の働き方にも変化がありそうですね。

窪:人的コスト削減にももちろんつながりますし、管理のしやすさにもつながると思います。チャット機能は、入居者様から質問が来ると、AIが回答の選択肢をだしてくれるのですが、従業員は選択肢から回答を選ぶだけではなく、選択肢の回答の文章をアレンジして返信することで回答の精度を上げてサービスの質を上げていくのです。
人が減ってもサービスの質が下がらないものを開発すること、積極的に利用してもらえるツールを開発することが重要だと考えています。


窪:賃貸管理ツールは地方の不動産会社さんにこそ使っていただきたいですね。例えば空き家に鍵がかかっていて内見にいきたいとなったら、地元の不動産屋さんに鍵を預かりに行って案内して、鍵を返却しにいかないといけません。他の物件も案内するのに、一度鍵返却のためにどこかを経由しないといけないのは非効率です。それをResidence kitと連動したスマートロックを活用することで、鍵をとりにいかなくても予め設定したパスワードを入れれば鍵をあけることができます。
また、管理会社は、入居者様からの質問やトラブル連絡をチャットで受け付けることができ、記録にも残るしタスク化されるので業務効率化にもつながります。

――変化するオフィスや働き方に対応するために企業ではどのようなことが大切だと思いますか?
窪:オフィスや働き方は各企業で違うので導入できる施策・できない施策は様々だと思います。弊社の中でも、賃貸管理という仕事は、オフィスに人が必要になってくる部分があるので、必要なところにはきちんと人を常駐させますが、DX(※)を推進していくことを世の中に発信していますので、ITを駆使して柔軟な働き方に対応していきたいと思います。

※DX=デジタルトランスフォーメーション。ITの活用を通じて、ビジネスモデルや組織を変革すること。
いままで牛歩的にしか進んでいなかった契約の電子化もコロナによって後押しされ、加速的に働き方やITソリューションに変化が起きてきていますので、今後、社内のルールづくりもどんどん変わっていくと思います。テレワークを導入して終わりではなくその都度、戦略的に働き方をアップデートしていくことが必要だと感じます。
そして、柔軟な働き方をする上で必要になってくるIT化・効率化を推進していくことが各企業に求められていると思います。一歩先のことを取り入れておくことでいざというときに差がでるのだと思います。

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編集後記

不動産業界は、まだまだアナログが部分が多い業界なので、借り手や業界のニーズにあわせて今後、急速にテクノロジーによる進化を遂げるでしょう。不動産会社ごとに形式が異なる物件資料をスキャンさえすれば自社のデータベースに瞬時に反映してくれる時代がすぐそこまできています。IT化・自動化によって単純業務はテクノロジーにお任せして、社員が最少人数でクリエイティブな業務に特化できるようになると、働き方や働く場所もさらに変化していきます。弊社はオフィス専門ですが同じ不動産に関わる企業として今後の業界のIT化・効率化に目が離せません。貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

インタビュー・編集:服部 撮影:平井