株式会社BALANCe
東京都港区南青山6-2-13 ファイン青山 901
規模:約13坪
南青山、ハイセンスでありながらも落ち着いた空気に満ちた骨董通り。生活に取り入れたい美しい食器や道具をならべた店、インダストリアルな内装のカフェなどを眺めながら歩くと、株式会社BALANCeのオフィスに到着します。
株式会社BALANCeは、2019年1月に立ち上がったオンスクリーンメディアコンテンツの制作集団。データを使ったリッチな表現を得意としており、これまでの制作実績には、
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FINAL FANTASY XV ROYAL GALLERY 特設Webサイト
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栄養状態がわかるパーソナル栄養検査Webサービス「vitanote」の開発・データビジュアライゼーション
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歩数をビジュアライズしてFC町田ゼルビアを応援するiOS・Androidアプリ「ARUCLUB MACHIDA」の開発
などがあります。
今回は、その制作の哲学とオフィスづくりについて、代表取締役の藤井 宗一郎さまにお聞きしました。
BALANCeの仕事のエッセンスとその先にあるもの
―― 藤井さんは2年ほどフリーで活動されていたとのことですが、このたび会社を立ち上げるに至ったきっかけは何だったのでしょうか。
2年フリーをやっていると、ひとりでやる限界みたいなものを感じていました。なので、個の力も組織の力も強いチームを作って、より質の高いアウトプットを出していきたいなと思ったのがきっかけのひとつです。
日本ではWebサイトの実装は1人ですることが多いのですが、海外では数人のチームでやるんです。コーディングする人、アニメーションを付ける人、機能面のプログラムする人。役割分担をして、最後に組み合わせるという方法が主流です。そうすれば、低コストかつ短期間で高クオリティの作品をつくることが可能で、個別に技術を極めることによってよりハイレベルになりますよね。日本でも、チームを組んでワークフローを整理した上で、役割分担をして仕事するという方法を取り入れたいと思っています。
―― 「BALANCe」という社名には、どのような意味が込められているのですか。
「表現と機能のどちらも極めていこう」という意味での「バランス」です。
たとえば、駅など公共交通機関のサイネージって、機能性に振り切っていますよね。もしもタッチしたときの反応にアニメーションが付いていたり、画面に触るとハートがポコポコッと出るようなちょっとしたインタラクションがあったりしたら、テンションが上がりそうじゃないですか? そういう意味で、エモーショナルなデザインと、使いやすさや情報の伝わりやすさ、そのどちらも実現したいと思ってこの社名にしました。
―― その上で、BALANCeのサービスは、どのような方に向けられているのでしょうか。
Web・アプリ・サイネージなどスクリーンを選ばず、データを使ったビジュアライゼーションと、サービスのフロント・サーバサイドの開発を得意としています。
- 棒グラフや円グラフなど基本的なグラフを使って、情報を分かりやすく表現されたい企業様
- 見た人が「おおっ」と感じるようなインパクトを与える、ブランディング寄りなビジュアライゼーションを実装されたい企業様
- webサイト・webサービス・アプリ・サイネージ開発にあたって、フロントやサーバーサイドの開発リソースが不足されている企業様
などからご相談されることが多いです。
―― 会社として、もしくは個人としての、今後の展望を教えてください。
たくさんあるWebの中で、その日いちばんすごいものを決める”FWA”やAwwwards”というサイトがあります。500くらい応募がくる中で、その500個のうちの1位を決めるということを毎日やるんですよ。そこで勝つのはいつも、フランスとかイギリスなんですよね。もともと日本も、2000年代半ばごろまで強かったんです。それが最近は、エモーショナルな部分よりも機能ばかりに目を向けるようになってしまった。そうじゃなくて、もう少し「エモい」ところをぐわっと底上げしたいというのはありますね。
ただ、国内すべてのインターフェイス上の表現がリッチになるというのを実現するためには、ぼくらでひとつひとつ創るよりはみんなでやったほうがいい。だから今、ぼくらがサイトを制作するのではなく、部分ごとにパーツ化して制作会社に販売しようとしています。切り売りされたモジュールを個々にカスタマイズしてアップデートしたら、それぞれの個性もでてくる。その結果として、国内の業界全体を底上げするようなことがしたいと思っています。
AIやIoT、ブロックチェーンとかの技術が世の中を便利にしたその先に待っているのは、週休5日制の自堕落な生活なのかなと想像しています。そのときに、やっぱりエモいものがあったほうがいい。もともと僕は小説家になりたくて文学部に行っていたんですが、そういうエンタメみたいなものを今インターフェイス上でやっていると、楽しむための要素とかエモさは、未来にまだ必要とされそうだと思います。
―― いま、採用をお考えかと思いますが、「こういう人と一緒に働きたい」というイメージはありますか。
好奇心を持って人生を楽しんでいる人ですね。デザインやプログラミング、何でもいいんですけど、好奇心をくすぐられたものに対して飛びかかってどんどんやっているような人。そういう人とは話してみたいし、一緒に過ごしたらきっと楽しい。だから、好奇心のある人と出会いたいし、仕事がしたいですね。
人があつまり化学反応を起こす場へ
―― 初めてのオフィスは、どのような軸で物件を探されましたか。
リモートでもできる仕事だからこそ、「毎日来たくなるような場所」を軸に探しました。社員が増えたときに、ここで集まって話しながら何かやりたいな、とイメージしています。もし、この物件が1階や2階の低いフロアだったら、毎日は来ないですね。たぶん、9階っていうのがいいんだと思います。あとは、表参道の街の雰囲気が好きでこのエリアを選びました。
―― 光や風が入ってくる感じがして、気持ちいいですね。
見晴らしも含めて、「抜け」感がある物件だと思います。それをより感じられるように、内装は後からいじっています。壁や床、照明なども交換しました。朝の空気の中で音楽を流しつつ仕事をしていると、つい悦に入ってしまいますね。
―― 家具などにもこだわりを感じます。
家具も、「毎日来たくなるような場所」という意味で、たとえば机であればスペースが広めに取れるものや安っぽくないものという観点で買いました。椅子なども同様ですね。
―― 今回、移転を担当した西川の印象はどうでしたか。
西川さんは、ひとことずつが、僕のニーズを探りながら話しているという印象でした。BALANCe視点で考えてくださっているというのがわかる発言が多かったのが、印象に残っています。
―― これから、このオフィスをどういう場所にしていきたいですか。
家で暇だったら、「ちょっとオフィス行こうかな」と思えるような場所ですね。暇なときにはレストランに行ったりカフェに行ったりすると思うのですが、そうではなくて、オフィスに行ったらスキルや知識を高められる。そんな場所ですかね。人が集まっていて、ここに来たら有益なことがあるというイメージです。
担当営業(西川)より
この度は初めてのオフィス探しのお手伝いをさせていただき、誠にありがとうございます。
藤井社長は、オフィス開設後にご自身や従業員が働くイメージをはっきり持ってお探しになっていたため、「これだ」という物件での決断がとても早かったことが印象的でした。BALANCe様の製作される様々なメディアコンテンツがこのオフィスから世に出ていくことを楽しみにしております!
今後とも宜しくお願いいたします。
インタビュー・編集:軽部 撮影:平井
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