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オフィス移転企業インタビュー オフィス移転の目的やその効果を企業経営者に徹底取材!

吉田 美子 様

Y’s445

吉田 美子様

  • 「人が集まる」「モノが売れる」「人を採用する」のサイクルを作り、誰もが活躍できる世の中へ
  • 企業URL http://ys445.com/

現在の東京で「青山 (東京都港区)」と呼ばれる地域のうち、青山通りをはさんで北側が北青山、南は南青山に分かれている。 今回お話を伺ったY’s445様が新たにアトリエを構えられたのは南青山。このエリアは上質なショップやレストランが立ち並び、ギャラリーやライブハウス等が点在するお洒落な場所だ。




街を歩くだけでも、自然と感性が磨かれていくような街並み。メインストリートから少し離れた閑静な住宅地の一室で、オリジナルバッグを製作されている吉田様を訪ねた。


バッグ創りについて


― 吉田様は「Y’s445」というブランドを展開されている「バッグ作家」ということですが、具体的にどのようなことをされているのでしょうか。

― オープニングパーティーのウェルカムボード ―

私の感性で発想して、持つ方が幸せを感じられるような1点物のバッグを創っています。使う素材は、インポートの布とレザーです。持ち手にもこだわっていて、オリジナルのレザーハンドルや、イタリア製のオシャレなプラスチックハンドルなどを使います。インポートの布は、主にフランス、イギリス、スペイン、スウェーデンといったヨーロッパのもの、一部にアメリカの布を使う場合もあります。私で買い付けも行い、これまでパリやスペインのマドリッド、スウェーデンまで仕入れに行きました。

― 出会った布や素材を選ばれる基準が「吉田美子のテイストに合っていること」ということですが…。

そうなんです(笑)。「吉田美子のテイスト」は感覚で決まるので、具体的な言葉に置き換えることは難しいのですが。自分が好きだなと感じる素材を集め、それらの組み合わせをここ(アトリエ)で決めていきます。それぞれの布が持っている色合いやデザインに直感で惹かれるので、作品に偏った傾向はなく、ポップなもの、シックなもの等、出来上がったバッグは様々なテイストに仕上がっています。



― 吉田様が選ばれる布は1つ1つに存在感があるというか、絵本の挿絵のようだと感じました。

ええ。私の場合、布のイメージから形が生まれるバッグも多いですね。オーダーになりますと具体的にお客様から布や形のご指定をいただくこともあります。

― なるほど。吉田様のバッグは布の見せ方と言いますか、全体の雰囲気がとても素敵ですね。以前パッチワークを学ばれていたということですが、素材同士の魅力が引き立つように組み合わせる作業はそちらの経験が活きているのでしょうか。

そうですね、活きていると思います。けれど、組み合わせのほとんどは頭で考えずに直感で選んでいます。オーダーバッグの中には、メインの布以外は私にお任せいただくパターンもありますが、その場合もお客様のことを思いながら直感で布を選びます。なので、組み合わせで迷うことはあまり無いですよ。





吉田様について


― 本日 是非お伺いしたかったことが、吉田様のユニークな経歴でした。ずっと理系の世界にいた方が、バッグ創りのような感性を活かしたお仕事で活躍されていることを知り、ドキドキしました(笑)。

本当にひょんなことがキッカケでした。大学を卒業後、フルタイムで食品の検査業務をしていたのですが、体調を崩してそちらを退職したんです。その後、ミシンの得意な方とお知り合いになり、彼女から巾着袋の作り方を教わりまして。これは面白いと思ったので自分でもミシンを買い、色々と作るようになりました。今から9年前のことです。私はとても不器用で、母からもそう言われて育ってきたので、今、このような仕事が出来ていることにとても驚かれます(笑)。


― そうでしたか。 細かな作業は苦手とのことですが、お洒落や表現することはお好きでしたか?

絵も苦手で描けませんでしたが、「ピンクに水色を組み合わせると可愛いな」「オレンジには黄緑が合うな」というような、色の組み合わせは昔から好きでした。私にとってバッグ創りはその延長という感覚です。



ちなみに私は色彩学などを勉強していないので、かえってタブーが無いんです。相性の良い色の組み合わせ等は理論上ありますが、それを知らないのでどんな色同士も合わせてしまいます。お客様はその組み合わせ方の意外性が面白いと、楽しんだり喜んだりしてくださいますね。


― 裁断されたファブリック。これからバッグになります ―

― 棚には吉田様が心を惹かれたファブリックがずらり ―


― ソーイングを始められたのが9年前、その1年後にブランド「Y’s445」を立ち上げてバッグの製作を始めていらっしゃいますが、何故バッグを創るようになられたのですか。

バッグの製作は、母の職場で開催されたバザーがキッカケでした。見よう見真似で作った袋物を2,3点出品したところ、それが飛ぶように売れて「今度はもっとたくさん作って。」と言ってもらえたんです。バッグ創りには1点1点全て表情が違う面白さや、作品が完成したときの達成感や喜びがあり、それらがとても自分に合っていました。私は長続きしない性格だと思っていたのですが、このバッグ創りだけはシリアルナンバーがもう1500を超えています。つまり1500個以上の作品を創っていることになりますね。飽きずにずっと続けられていることは、このバッグ創りが初めてです。

創るだけではなく、1点物の作品が本当にピッタリの方と出会う瞬間や、旅立つところまできちんと見届けたいと想っています。あとは、私の創るバッグを持つことで気持ちが明るくなったり、誉められて嬉しかったり…という幸せな気持ちになっていただいて、その幸せの輪が広がって欲しいという想いがあります。

― 素敵ですね。自分のしていることが誰かの喜びになるというのは嬉しいですね。

そうなんですよ、本当にね。

― 今回担当した服部も吉田様のバッグを使わせていただいているのですが、細かな部分までとても手の込んだ創りになっていて驚きました。大きさにもよると思いますが、1つの作品にどれくらいのお時間が必要なのでしょうか。

工程はいくつかに分かれており、作業は約2,3日に分けて行います。私のバッグはしっかりと自立するように芯を貼っているので、デザインが決まった後、布と芯を裁断して双方を接着します。そちらを縫製し、最後に持ち手を付けていきます。一部スタッフが携わっているところもありますが、それでもやはり3日くらいに分けて、同時に複数のバッグを創っています 。


― なるほど。作業に入られると時間は関係なく没頭されてしまうタイプですか?

意外とそうでもないですよ(笑)。タイムスケジュールを組んで進めます。

― それでは、オフの時間はどのように過ごされていますか?

オフの時間はfacebookだったりpinterestだったり。パソコンは息抜きになっています。

― 吉田様の感性に響く本たち ―

― pinterest?

pinterestというのは自分のセンスで好きな写真を集めていくサイトで、ピンナップボードのようなものですね(http://pinterest.com/ys445/)。 こちらで独自の世界観を創ることが出来るので、作品を紹介するツールとして始めました。



今はまだそこまで活用していませんが、息抜きで好きな写真を集めて、眺めては楽しんでいます。改めて集めた写真を見たとき、「自分はこういうものが好きなんだ。」という発見もあって面白いですよ。またfacebookにはアトリエに来てくださった方の写真や日々の出来事、ご購入いただいたバッグとお客様のお写真をアップしています。お客様をご紹介させていただいた投稿は特に反応が多いので嬉しいです。(www.facebook.com/Ys445)

― お好きな写真集や本はございますか?

キットソンの世界観が好きです。他に好きなのは布の本で、フランスやアメリカのヴィンテージ物の本を持っています。布はやっぱり可愛いですね。あとはデザイン系やロシアの絵本。色使いがとても可愛いです。これらをテーマにバッグを創ることはありませんが、見て楽しんでいます。

私は美術作品や映画、本等を参考に製作することは少なく、バッグは「そのときの自分が持っているもの」から創り出します。昔の自分の作品でさえ見返すことは少ないですね。なので、お客様が以前買ってくださったものを持って遊びに来てくださると、私はこういうバッグを創っていたのだなぁと驚きます(笑)。

― 面白いですね。バッグの中にその時々の吉田様がいるようです。

― ファブリックの本。奥に見えるのはロシアの絵本 ―

― 吉田様のバッグを持たれたお客様。皆さま本当に素敵な笑顔をされていました! ―

― 目覚ましいご活躍をされている吉田様ですが、これまでのご自身を振り返ったご感想をお願いします。

私は幸運に恵まれておりまして…。思い描いた夢が1つ1つ叶っていった8年間でした。ギャラリーでの個展開催、百貨店への出店、首都圏以外の場所で展示会…。自宅で行う製作作業を手狭に感じ始めたころ、初めてのアトリエを持つことが出来て、その1年後にはここ南青山に移転。一段ずつ階段を上ってきている実感があります。

― では、差し支えなければこれからの目標や夢を。

ゆくゆくは日本のみならず、パリやニューヨークといった世界のお洒落な街にあるセレクトショップに私のバッグが並ぶ夢を持っています。他には九州、北海道、大阪、神戸といった、バッグ展をしたことのない国内都市での展示会を考えています。ご縁があれば是非やりたいですね。あとはもっと先の話ですが…。私には「夢のアトリエ」がありまして、そちらを実現出来たら良いなと思っています。

移転のこと


― 今回はどのような経緯でアトリエを移されることになったのでしょうか?

初めて構えたアトリエは埼玉県にある自宅の近くでした。自宅以外の場所に作業場があることで、いっそう作成に集中できる環境になったことはもちろん、家族に気兼ねなくお客様を呼ぶことができる等のメリットを実感しました。それが去年5月のことです。

南青山にした理由は、知人の紹介でお会いした㈱エル・カミノ・リアルの代表をされている木寺さんに私のパンフレットをお見せしたところ、私のバッグを販売する場所として、南青山はとても良いと移転をお勧めいただきまして。

私の頭の中には以前から「鎌倉の、海の見える場所にあるアトリエ」という夢のアトリエがあるのですが、埼玉と鎌倉の距離は遠く、とっかかりが無いなと感じておりました。そんなとき木寺さんの「南青山」という言葉によって、鎌倉までの道筋がぱぁっと1本通りまして。「南青山で地盤を固めてから鎌倉に移る」という道筋は私の中にストンと落ちました。その2日後にはもう物件探しを始めていましたよ(笑)。

― アクションが早いですね!それでは、今回のアトリエは立地にこだわられたということですね。

そうですね、南青山という住所にこだわりました。「ブランドの価値を上げるには土地の力を借りることも重要」というアドバイスがよみがえり、南青山ならピッタリだと思いました。

― 窓の外には空が大きく広がっていました。桜の木と、六本木ヒルズ ―


― こちらは本当に素敵なアトリエですが、特に気に入っていらっしゃるところは何でしょうか。

何よりも開放感です。全面窓で視界が開けていて…。この景色は「夢のアトリエ」のイメージそのもので、唯一ないものは海だけなんですよ。けれどもこちらには桜の木があり、六本木ヒルズに東京タワー、ミッドタウンが見えるというロケーションが最高に気に入っています。特にこの桜の木は、高さがちょうどこの階数までありまして。枝の向こうに空が広がるこの部屋は、本当に素敵だと思います。初めてこのお部屋を内見したときは桜の季節でとてもキレイでしたね。4月でした。

― 光にあふれたアトリエ。たくさんのグリーンに囲まれた心地よい空間でした ―

オフィスナビと服部について


私と服部さんは木寺さんのご紹介によりfacebookでつながりました。私からメッセージを送ったところ、すぐに候補の物件をいただけて。対応がとても早かったです。服部さんにご連絡をしたときは、すでに別の会社さんでいくつか内見しておりましたが、そのときはまだピンとくる物件がありませんでした。


― 吉田様がモチーフという、可愛らしい人形 ―

加えて私自身何かと慌しかったので、実際に移転をするのは落ち着いたころにして、今はどのような物件があるのか参考程度に見ておくつもりだったんです。こちらの物件は、服部さんから迅速なご提案をいただきながら検討する中で、たまたま見られたんですよ。

― 「たまたま」ですか?

ええ。はじめ、この物件は候補にありませんでした。他のお部屋を内見していた際、偶然 管理会社の方がお話にあげたんです。当初の予算からかなりオーバーしていたのでご紹介は難しいとのお返事でしたが、私の中でどこか引っかかるところがありまして。こちらの予算を上げる可能性をお伝えして、見るだけ見せていただいたんです。



でも、いざ決めるとなると、その先には予算や家族の説得が待っているのでとても迷いました。信頼の置ける方々に何度もこの部屋を見ていただいて、皆さんの意見を参考にやっと決心をしたんです。ところが決心をした途端、とてもスピーディーに良い方向へ事態が展開していきました。

― アンティーク調のデザインが素敵なテーブル ―

こちらの物件を申し込むに当たり、1番気の重かったことは家族の説得でしたが、驚くほどスムーズに了解をもらえましたし、審査の厳しい南青山エリアでかなり難しい希望を出したにも関わらず、全て通りました。これには「服部さんの交渉力はすごい!」と本当に驚きましたね。その後もトントン拍子であっという間に事が進んで。この物件は服部さんがいなければ絶対に入居できなかったと思います。

― 物件にこだわりのある知人の方もイチオシ!ゆったりとした洗面所 ―

― 嬉しいお言葉ありがとうございます。それでは、最後に服部へ一言お願いします。

服部さんはアトリエのオープニングパーティーにご参加くださったり、度々ご訪問くださったりと、ご契約後もお付き合いを続けてくださいます。このようにご縁がつながり、広がっていくことは嬉しいですね。私の友人でも南青山にアトリエを構える目標を持った方がいるのですが、彼らが実際に物件を探すときは自信を持って紹介できる方だと思います。物件を決めるにあたり、何度かお部屋を開けてくださるようご足労願いましたが、その度に気持ちよくご対応いただき、融通を利かせてくださいました。

― ありがとうございます。そうなんです、彼女はお客様から女性らしい細やかな対応でご好評をいただいておりまして。

そうなんですね。本当にその通りだと思います。ありがとうございました。

― 本日はお忙しい中、素敵なお話をありがとうございました。


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